匿名組合とは?投資組合との違い、利用用途やメリットデメリットを解説
匿名組合とは何か
投資組合には「匿名組合」「任意組合」「投資信託」などがあり、それだけではなく外国の法律であっても同じ機能があれば「投資組合」と呼ぶことが出来ます。
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投資組合のなかで最も多く利用されているのが「匿名組合」
匿名組合とは、その名の通り、投資家同士お互いに名前も出資額が分かりません。組合は、組合財産を購入するときは組合名義でおこなうため第三者に投資家の情報等が知られることはありません。投資組合のなかで最も多く利用されているのが「匿名組合」になります。
契約は、投資家と組合の1対1でおこなうため、通常の任意組合に比べて「投資家が管理者に資金を預け運用を任せる」という意味合いがより強くなります。
匿名組合のメリットとデメリット
メリット
投資組合の最大のメリットは、財産も借入もすべて管理者名義でおこなうため投資家は自分の出資額以上に責任を負うことはありません。基本的には投資家は財産運用の意思決定には参加しないため有限責任
デメリット
匿名組合のデメリットは、組合の管理者と投資家の関係性が希薄であることです。匿名組合は法人格がないため登記も行うことはできません。単純に管理者と投資家の「契約」と「お金」だけで成り立っているのです。
また、その契約で投資組合と投資家の条件を縛っているのですが、もし条件を後に変更しようとする場合は、すべての投資家の同意が必要となります。しかしこの同意をとることが容易ではありません。
上記でも述べましたが、匿名組合はその名のとおり投資家同士、お互いの名前も出資額も分からず、面識を持つことがありません。そのため、契約条件の変更を行う場合、他の投資家同士面識がなく、匿名組合の意思決定にも原則的に参加していないため同意を取り付けることはほぼ不可能であると考えるべきであります。
ただ、ここは契約書さえしっかりと作成しておけば問題のないことですから、デメリットは契約書次第で最小限とすることが可能です。
匿名組合の実例
では実際に匿名組合を利用した成功事例とはどんなものがあるのでしょうか。
例えば世の中には、飲食店の店舗内装や厨房に投資する投資組合が存在します。投資家から資金を集めて、店舗内装や厨房を購入いたします。この匿名組合の売上はその飲食店より支払われる固定額のリース金と売上に応じた変動リース金となります。
その他、保証金に投資しリース金のみならず賃料を匿名組合の売上とすることも可能です。
ペーパーカンパニーとセットで
匿名組合は組合財産を購入する場合、投資家から資金を集めてその資金の出し入れをする会社、いわゆるペーパーカンパニーを設立しこの会社を通じて財産を購入いたします。
優秀な人材を集める仕組みとしても機能
純粋に飲食店を開業したい!という方は世の中に多くいます。しかし飲食店の開業には、元手が必要となります。この元手を匿名組合で用意してもらえるのであれば、飲食店の店長をやりたい!という人は多く集まります。
匿名組合の管理者としては、店長候補が多ければ多いほど優秀な人材を採用できます。そして実際に地域や売上に応じて対応する専門家を採用し、飲食店の経営をスタートさせます。しかしその過程で、売上をあげるために組合の財産を一部売却したりすることもあります。
任意組合と異なり意思決定が迅速
任意組合で財産をあつめている場合は、共同事業者である投資家に事前相談が必要があり全員が同じ意見になるとは限りません。意見が一致するまで時間がかかる場合もあります。
これが匿名組合であれば組合財産が、ペーパーカンパニー名義のため組合財産を売却したいとなったとき、迅速に意思決定をおこなうことが可能となります。当然、投資家はお金をだしていますので、契約書への明記とその説明及び納得していただくことは必要ですが、究極的には匿名組合の管理者の意思決定のみで財産の換価をおこなうことが可能となります。
また、最終的にこの飲食店を第三者に売却し、投資家に元本を返還していくことになりますが、この意思決定も匿名組合の管理者が自由におこなうことが可能です。さらに損失が発生していた場合、投資期間が終了する前(清算前であっても)迅速に意思決定することで良い条件で売却し、損失を最小限に抑えることが可能です。
さいごに
いかがでしたでしょうか。匿名組合は、このように利用し、パチンコ店、スポーツクラブ、薬局、カラオケ店などに投資する匿名組合が多く存在します。
匿名組合は「組合契約書」を締結することにより、簡単に組成することが可能です。投資組合、匿名組合やペーパーカンパニーの設立に関するお問い合わせは、永田町事務所までお気軽にお問い合わせください。
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