減資 / 登記申請手続(各種)

株主割当てによる募集株式の発行(増資)手続きを解説!決議機関や募集事項

募集株式の発行等(株主割当て)


募集株式の発行等

募集株式の発行等とは、会社が株式の引受人を募集し、割り当てるために株式を発行または自己株式を処分することをいう。
これは、人的・物的な規模の拡大や会社の一部設立のために行われる。いわゆる企業の外部から資本金を調達する手段の一つである。
募集株式発行等による資金は自己資本であり、企業が返済義務を負わないので、多額かつ長期にわたる資本金の調達を可能とする。募集株式の発行等の方法は以下の二つに分けられる

① 株主割当て

株主に対して割当てを受ける権利を持株数に比例して与える方法をいう。

② それ以外の方法(公募発行・第三者割当て)

広く一般投資家から募集株式を引き受ける者を公募する方法と、特定の第三者に募集株式を割り当てる方法をいう。

募集事項の決定

株式会社が募集株式の発行等を行うには、募集事項を定めなければならない。募集事項とは、以下に掲げる事項となる。

① 募集株式の数
② 払込金額
③ 現物出資である場合はその旨、内容及び価格
④ 金銭の払込・財産の給付の期間または期日
⑤ 増加する資本金または資本準備金に関する事項



募集株式を発行するには、既存株主の持ち株比率の低下、発行価格のいかんによる株価下落などを要因とする既存株主の経済的損失から既存株主を保護する必要があるが、便宜な資金調達であるという利益との調和を図らなければならない。したがって、公開会社・非公開会社、株主割当て・第三者割当てであるのかによって、その手続きは変わってくる。

募集株式の発行(株主割当て)

募集事項に加えて株主に割り当てる権利を与える旨及び引受の申込期日を決定した場合、株主割当てをすることができる(会社法202条1項)。
株主は、株式の数に応じて募集株式の割当てを受けるが、1株に満たない端数があるときはこれを切り捨てるものとする。

公開会社の決議機関

株式会社が公開会社であれば、迅速な資金調達の必要は重視されなければならず、持ち株比率が低下したとしても、株式譲渡によって容易に回復できるので、株主割当てを受ける権利を与えるか否かの決定は取締役会によって委ねられている(会社法296条2項)。
ただし、定款に定めがあれば株主総会によって決議することができる(295条2項)。

非公開会社の決議機関

それにたいして、株式会社が非公開会社であった場合、株式の譲渡は制限されており、持株比率の低下を回復することは容易ではない。
したがって、既存株主の持ち株比率の利益を保護する必要性はより高まるので、株主総会の特別決議でなければそれを決定することはできない(199条1項2項・309条2項の5)。
ただし、定款によって募集事項の決定を取締役・取締役会の決定によって定めることができる。
株主割当てを行うには、決定日と申込期日の間に2週間の期間を置かなければならず、募集株式引受の申込期日の2週間前までに、以下に掲げる事項を通知しなければならない。

① 募集事項
② 当該株主が割当てを受ける募集株式の数
③ 払込期日

なお、2週間の期間を置かない場合は、株主全員の同意が必要となる。この場合、登記の申請の際には、株主全員の同意書及び株主リストの添付を要する。

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本日は募集株式の発行(株主割り当て)について解説しました。
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