一般社団法人の社員と会員の違いは?正会員制度や入会制限について
一般社団法人の社員と会員はどう違う?
一般社団法人の社員と会員
一般社団法人では、「社員」と「会員」とが存在するケースがあります。
一般社団法人は会員制度を導入することが可能となっていて、多くの法人がこれを実施しているからです。
資格試験などを開催している一般社団法人は特に会員数が多く、会員向けに講座を開いたり、書籍を販売したりしている活動もよく見かけます。
一般社団法人の社員は組織の構成員であり、株式会社の株主のような立場にありますが、非営利組織で利益の分配はできないため、出資者にはあたりません。
社員と会員は原則異なるものの、定款で社員を会員とするケースもあるため、同じ存在になる場合もあります。
社員と会員との違い
一般社団法人で社員は、社員総会で決議権を持つ人です。
社員総会は最高意思決定機関であり、その議決に参加して法人の重要な決め事を採決する権利を持つのが社員です。
一方、会員は、定款や会員規定で定めてある権利や義務を持つに留まります。
ただし、前述した通り、定款で会員=社員としている場合は、会員も社員と同等の権利を持ち、会員が重要な決議に参加する権利を持つことになります。
「正会員」制度
とはいえ、会員数が増えれば増えるほど、すべての会員に社員と同等の権利を持たせるのは難しくなるのも事実です。
その場合、社員と同等の権限を与える会員を「正会員」などと区別して、それ以外の会員を一般会員などと区分けするルールを設けることで解消する事例もあります。
会員をどういう立場にするか、どのような権利を持たせるかは、すべて定款で明確にすることで自由な運営が可能となります。
入会自体に制限を設けることも可
ほかには、会員を区分けせず権限を与える代わりに、入会自体に制限を設ける事例も少なくありません。
たとえば、代表理事の承認を得なければ入会できないといったように、会員になる時点で厳しくチェックする仕組みを設けている一般社団法人もあります。
細かい規定も定める
会員は、一般社団法人の運営費の原資となる会費を集めるためにも重要な存在です。
定款で扱いを明確に定めるのと同時に、会費規定などは別途規定を定めたほうが良いでしょう。
社員や会員が多くなればなるほど原資は集まりやすくなりますが、組織運営は難しくなり、社員総会もうまく運ばなくなるリスクがあります。
円滑に法人を運営するためには定款だけでなく細かなルールを設け、明確に規定で定めるなどの対応が必要となるでしょう。
こうした組織運営のノウハウに関しては、一般社団法人も株式会社も変わりはありません。
法律で定めてあるわけではなく、各団体が独自のルールで運営している部分もあり、実態は個々で異なることも多いです。
まとめ
本日は一般社団法人の社員と会員について解説しました。実務上よくでてくる言葉ですので、違いをぜひ知っておいていただければと思います。
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