相続、遺産承継業務

特別縁故者とは?認められる例や申立て方法などを解説



特別縁故者とは?認められる例や申立て方法などを解説


特別縁故者とは

相続の際に、特別縁故者(とくべつえんこしゃ)として認められる場合があります。特別縁故者とは、亡くなった被相続人と特別に親しい関係にあった人をさします。
通常であれば、被相続人(亡くなられた人)の財産は、法定相続人である配偶者や一定の範囲の親族に相続されることとなります。しかし、被相続人に、法定相続人となる人が必ずしもいるわけではありません。家族がいた方でも、被相続人よりも先に全員が亡くなっている場合や、生涯にわたって独身である方もいます。

このように、法定相続人となる人がいない場合は、その方が残された財産は原則として国庫に帰属することになるわけですが、その前に、被相続人と深い関わりがあった方に少しでも財産を承継させることができないものかということで始まったのが、この特別縁故者に対する財産分与制度というわけです。

特別縁故者として認められる人

では、被相続人とどのように関わっていた人が、特別縁故者と認められることができるのでしょうか。
特別縁故者になれる人は、大きく分けて4つです。

生計を同じくしていた人

1つ目が、被相続人(亡くなった人)と生計を同じくしていた人です。つまり、どういう人が該当するかというと、具体的には内縁(事実婚)の妻(夫)や、事実上養子関係にある人となります。
内縁(事実婚)の妻(夫)とは、婚姻届を提出していない夫婦の事を言います。
法律では、婚姻届を提出していない夫婦は法律上夫婦とは認められていないため、相続人となることができません。そのため、内縁(事実婚)の妻(夫)は、遺言がなかった場合、特別縁故者の申請をしなければ相続財産を承継することはできません。

療養介護に勤めた人

次に該当する人が、療養介護に務めた人です。被相続人が生前に体が不自由などの場合、その介護をしていた人は特別縁故者と認められる可能性があります。
ただし、仕事として報酬を貰って介護などを行っていた介護士や、看護師などは含まれません。

特別に縁故があった人(法人も認められる場合がある)

次に被相続人が生前に、特別に縁故があった人です。これは、被相続人から自分の財産を譲ると言われていた人や、家族や、親、兄弟のように、親密に関係があった人は特別縁故者と認められる可能性があります。
その他、法人であっても特別縁故者と認められる場合があります。この法人とは、学校法人や、地方公共団体、公益法人などの団体のことです。
被相続人が生前に、これらの団体の経営者として組織に深く関わりがあった場合などについても特別縁故者と認められる可能性があります。

特別縁故者になるには

特別縁故者には、黙っていても認められるわけではなく、自分で家庭裁判所に申請を行い、特別縁故者と認めてもらわなくてはなりません。相続人はいないと思っていたのに、実は相続人が存在した、という場合には特別縁故者と認められません。また、申し立てたからといって必ずしも特別縁故者と認められるわけではありません。
特別縁故者と認められたい人は、家庭裁判所に「相続財産管理人選任の申立て」を行います。この際に、予納金として10万円から100万円ほど納める必要があります。
家庭裁判所に選任された相続財産管理人が被相続人の債務を支払うなどして清算を行った後、家庭裁判所の相続人を捜索するための公告で定められた期間内に相続人である権利を主張する者がなかった場合、家庭裁判所は、相当と認めるときは、被相続人と特別の縁故のあった者の請求によって、その者に清算後残った相続財産の全部または一部を与えることができます。

まとめ

本日は特別縁故者について解説しました。
相続に関するお問い合わせは永田町司法書士事務所までお問い合わせください。


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