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社外取締役の要件と責任、リスクを回避する方法



社外取締役の要件と責任、リスクを回避する方法


社外取締役とは

社外取締役は、社外から招かれた取締役であり、企業の業務執行に関する意思決定を行う役割を担っています。
社外取締役は外部の人間であるため、会社の利害関係にとらわれることなく任務を遂行できるというメリットがあるのです。

2015年にコーポレートガバナンスコードが施行されたことで、上場企業では社外取締役を2名以上設置しなければならないという義務が発生します。
これにより、現在ではほとんどの上場企業では社外取締役を2名以上設置されています。

社外取締役の要件

社外取締役になるためにはいくつかの要件を満たしていなければなりません。
以下のことが挙げられます。

1.事業者の業務執行取締役ではないこと。
さらに就任前10年間に事業者等の業務執行取締役ではなかったこと。
2.就任前10年以内に事業者の取締役であったなら、就任前10年間に事業者の業務執行取締役ではなかったこと。
3.事業者の親会社もしくは親会社の取締役等その他の使用人ではないこと。
4.事業者の親会社の子会社の業務執行取締役等ではないこと。
5.事業者の取締役等の配偶者もしくは二親等以内の親族ではないこと。
さらに、上場企業の社外取締役に就任する場合、取引所の独立性要件も満たす必要があります。


社外取締役が負う責任とは

社外取締役を担うことであらゆる責任が生じます。

善管注意義務

まず、会社に対する善管注意義務、会社のために忠実に職務を遂行しなければならないという義務が発生します。
取締役が故意や過失で損害を起こした場合、損害賠償の対象となるのです。

監督義務

このほかにも、取締役は他の取締役に対しての監督義務があり、監督義務違反になると責任が生じます。
また、取締役が連帯保証人となっている場合、ほとんどの中小企業は社長が個人で保証人になっていることが多いです。
このことから、債務を負わなければならない可能性があります。
また、債権者に対し個人が保証している債務についても同様に責任が生じるでしょう。
取締役が職務執行において故意もしくは重過失があった場合に責任を負う必要があります。

社外取締役に責任を負わせるリスクを回避する方法

社外取締役を招く際に、責任を負わせるようなリスクを回避したいといった場合には、責任限定契約といって賠償責任を定款で定めた金額の範囲で限定させるための契約を結ぶことができます。
これを締結することで、社外取締役が職務を行うことについて、善意・無重過失の際に損害賠償責任が定款で定められた額と最低責任限度額のいずれか高い金額が限度となり、賠償額を限定しておくことができるのです。

まとめ

本日は社外取締役の要件と責任リスク回避について簡単にご紹介しました。
会社法人登記業務に関するお問い合わせは永田町司法書士事務所までお問い合わせください。



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