投資法人とは何か。使い方とその最終目標を解説
投資法人とは。最終目標は?
投資法人の設立
多くの投資家から資金を集め、将来的には投資組合を上場させるというところまでの目標をもつ場合は、投資法人の設立を視野にいれることをお勧めします。
組合財産は、信託によって確実に保護され、パススルー課税の実現も可能となります。
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倒産隔離は投資法人の最大のメリット
投資信託は、誰でもいつでも金融機関窓口で買うことができます。
投資組合を金融機関窓口で購入する…というイメージです。
関連リンク:投資組合って何?投資組合を簡単解説
そしてこの投資信託は、「投資信託及び投資法人に関する法律」に基づき作ることが可能です。信託銀行に第二条第1項有価証券(金融商品取引法)を信託し、投資運用業者が指図する仕組みとなります。
これらはすべて、最初に投資家と締結した契約条件に縛られます。この場合「パススルー課税」ではなく、受益者に配当されたときにのみ課税されます。
関連リンク:LLP(有限責任事業組合)の3つの特徴を解説(後編)【内部自治の原則】と【パススルー課税】とは
この投資信託の1番のメリットは、財産の倒産隔離がおこなわれることです。倒産隔離とは、万が一、投資運用業者が破産等したとしても、当該財産は、債権者から差し押さえられたりすることはなく、投資家の利益を保護することが可能となる仕組みです。
詳しくはこちら(関連リンク:信託を利用した投資組合)
また、同法律に基づき「投資法人」を設立することも可能です。
投資法人とは
投資法人とは、不動産・有価証券など特定資産に対し投資を行い運用するために設立するもので法人格を有します。投資法人で最も有名なのは不動産投資を行う、日本版リートと呼ばれるものがございます。
投資法人は投資家から資金を受け入れ、「財産に投資」し「所有する」という機能しかありません。本店以外に支店・営業所を設置することは出来ず雇用することも禁止されるため投資法人は、財産の保全・管理・運用業務はすべて外部の専門家へ委託することとなります。
投資信託は契約で条件絞り、投資法人は議決権行使が可能
投資信託では契約により条件を縛りますが投資法人では株式会社同様、投資家が、運営の方針決定に参加することが可能です。具体的には株主総会にあたる「投資主総会」において議決権の行使を行い意思決定をすることが可能です。
投資主総会の意義
投資主総会では投資法人を代表する執行役員選任・運用委託業者選定などをおこないます。
投資法人財産と税金について
信託財産については、信託銀行に財産を信託しているため倒産隔離されています。
さらに投資法人では配当が経費になりパススルー課税が認められます。ただし下記の一定の要件を満たす必要がございます。
①以下いずれかに該当すること
・設立時公募を行い、かつ発行価額総額が1億円以上
・事業年度終了時、投資家が50人以上又は適格期間投資家のみが所有
②投資家の募集が主として国内で行われること
③資産運用や資産保管業務を外部に委託していること
④事業年度終了時、同族会社に該当しないこと
⑤配当可能所得の90%超を配当していること
⑥他の法人の発行済株式総数または出資金総額の50%以上を保有していないこと
⑦適格機関投資家からの借り入れのみであること
投資法人の図解
さいごに
いかがでしたでしょうか。本日は投資法人について解説いたしました。
法人設立やLLP、LPS組成に関するご相談は永田町司法書士事務所までお問い合わせください。
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