新株予約権(SO)

新株予約権の行使と払込日の前後関係、登記手続きの留意点

新株予約権の発行・払込日・行使日の関係

新株予約権の発行および行使に関する登記手続きにおいては、「払込日」と「行使請求日」の関係は、重要な要素となります。
新株予約権の発行と同時に行使を行うケースは少なくありません。
ある会社において、以下のスケジュールで新株予約権の行使を予定していました。

・新株予約権発行日:令和7年9月4日
・行使請求日:令和7年9月5日
・行使に伴う出資金の払込日:海外銀行からの送金のため着金日未確定

この場合において、行使に伴う出資金の着金日が、
①9月4日
または、
②9月3日
となった場合、新株予約権の行使における登記に影響
を与えるでしょうか?

法務局への照会と回答

①着金日が9月4日(新株予約権発行であり、行使請求日の前)の場合
 → 登記可能との回答
  発行日と同日に着金し、翌日に行使請求が行われる場合、9月5日を行使日として登記申請することは差し支えありません。

②着金日が9月3日(新株予約権発行であり、行使請求日の前)の場合
 → 登記不可との回答
  新株予約権発行日よりも前に行使に伴う出資金の払込みがなされていた場合には、たとえそれが行使にかかる金銭であることが明らかであっても、形式的審査の観点から登記は認められないとのことでした。

実務上の考察

新株予約権の行使においては「払込日」と「行使請求日」がセットであることが明確に求められて、これが揃った日が行使日と理解されます。
とくに、海外送金のように着金日が事前に読めないケースでは、行使日と払込日の整合性を確保するための調整が極めて重要となります。

実務ポイント

・払込日が新株予約権発行より前倒しになる場合、登記が認められないリスクがある
・新株予約権の行使登記には、「行使請求日=行使日=着金日」が原則
・着金日が不確定な場合でも、少なくとも着金は、新株予約権発行日後になるよう調整可能な体制を整えておくことが望ましい

手続きのご依頼・ご相談

本日は、新株予約権の行使と払込日の前後関係、登記手続きの留意点について解説いたしました。
会社法人登記(商業登記)に関するご依頼・ご相談は、司法書士法人永田町事務所までお問い合わせください。

本記事の著者・編集者

司法書士法人永田町事務所

商業登記全般・組織再編・ファンド組成・債務整理などの業務を幅広く取り扱う、加陽 麻里布(かよう・まりの)が代表の司法書士事務所。
【保有資格】
司法書士登録証

会社法人登記(商業登記)の

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