新株予約権(SO) / 登記申請手続(各種)

取得条項付新株予約権とは?内容や活用方法をわかりやすく解説



取得条項付新株予約権とは?内容や活用方法をわかりやすく解説


新株予約権とは

新株予約権とは、株式会社に対して行使することにより、当該株式会社の株式の交付を受けることができる権利のことを指します(会社法2条21号)。
新株予約権は、役員・従業員へのインセンティブ報酬や退職慰労金の代わりとして利用したり、買収防衛策(ポイズン・ピル)や資金調達手段、業務提携やM&Aがおこなわれる場面での利用など、さまざまな場面で活用されています。
コラムでは、新株予約権の中でもとくに「取得条項付新株予約権」について、司法書士がわかりやすく解説していきます。

取得条項付新株予約権とは?

取得条項付新株予約権とは、一定の事由が生じた場合に、株主の同意なしに会社が強制的に取得できる旨が規定されている、新株予約権のことです。
定めておくべき内容
新株予約権で定められる取得条項は、次のようなものを指します。

【取得条項付新株予約権の内容】
一定の事由が生じた日に当該株式会社がその新株予約権を取得する旨及びその事由の具体的内容
一定の事由が生じた日に新株予約権の一部を取得する場合にはその旨、及び取得する新株予約権の一部の決定方法について
取得の対価の内容とその数、額、算定方法等


取得条項の具体的な記載例

取得条項付新株予約権の具体的な記載例は、次の通りです。

「当社は、当社が消滅会社となる合併契約書の承認議案が当社の株主総会で承認された場合、又は当社が完全子会社となる株式交換契約書若しくは株式移転計画書の承認議案が当社の株主総会で承認された場合には、新株予約権を無償で取得することができる。」

「当社は、新株予約権者が「新株予約権の行使の条件」により権利を行使する条件に該当しなくなった場合には、その新株予約権を取得することができる。」

引用:『新株予約権ハンドブック 第4版』(松井信憲著 商事法務)


買収防衛策であるポイズン・ピルとしての活用可能性

取得条項付新株予約権は、買収防衛策であるポイズン・ピル として活用できることで注目を集めています。
取得条項の内容次第では、敵対的買収者に対してのみ、議決権のない株式や金銭等を交付することで、敵対的買収者の議決権比率を下げるスキームが可能になります。
ただし、実際にこのスキームを運用するためには、不公正な買収防衛策とみなされないだけの合理性を、あらかじめ確保しておく必要があります。

手続きのご依頼・ご相談

取得条項付新株予約権は、取得条項の内容によって対策できる内容が変わるため、設計者の知識や経験が反映されやすいものとなっています。
取得条項付新株予約権等についてのご相談は、司法書士法人永田町事務所までお問い合わせください。


本記事の著者・編集者

司法書士法人永田町事務所

債務整理・商業登記全般・組織再編・ファンド組成などの業務等を幅広く取り扱う、加陽 麻里布(かよう・まりの)が代表の司法書士事務所。
【保有資格】
司法書士登録証

会社法人登記(商業登記)の

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