申込証拠金とは?募集株式の発行する際の手続きをわかりやすく解説
申込証拠金とは?募集株式の発行する際の手続きをわかりやすく解説
募集株式を発行する際、引受人が払込期日までに払込金額を支払ってくれないという事態を防ぐために、実務上、申込証拠金を支払わせるのが一般的です。
このコラムでは、募集株式発行手続きの流れや募集株式発行における申込証拠金について、簡単にわかりやすく解説していきます。
募集株式発行における「申込証拠金」とは?
募集株式発行における申込証拠金とは、募集株式を申し込む際に、払込金額と同額もしくは一部の金額をあらかじめ払い込むことをいいます。
募集株式の引受人は、払込期日までに払込金額の全額を払い込まなければ、株主となる権利を当然に失います。
一方で、払い込みがない場合、増資を検討している会社にとっても大きなデメリットとなるため、募集株式の申し込みの際にあらかじめ払い込みをしてもらうことで、払込期日前に失権株を確定しておく必要があります。
実務上は、募集株式引き受けの申し込みにあたり、申込期間内に払込金額と同額の申込証拠金を添付することが多いです。この場合、支払期日までに改めて払込金の払込みをする必要はありません。
なお、払い込まれた申込証拠金は払込期日に払込金に充当され、利息をつけることはできません。
募集株式発行手続きの流れ
募集株式発行手続きの大まかな流れは、次のとおりです。
募集株式の申し込み
募集株式の割り当て
募集株式の引き受け
申込証拠金の払い込み
出資の履行
まず、募集株式を発行しようとする会社は、次の事項を決定する必要があります。
・募集株式の払込金額
・金銭以外の財産を出資の目的とするときはその旨、当該財産の内容および価額
・金銭の払込期日またはその期間
・増加資本金および資本準備金に関する事項 など
募集事項の概要が決定したら、当該会社は募集株式の申し込みを受けて、募集株式の割り当てを行います。
引受人は、払込期日までに払込金額の全額を払い込み、払込期日(払込期間を定めていた場合は出資を履行した日)に株主となります。
なお、払込期間前の払い込みについては明確な規定はありませんが、申込証拠金として払込期日前の払い込みが認められている以上、払込期間前の払い込みについても認められるであろうと考えられます。
この場合、引受人が株主となる時期は、払込期間の初日になる可能性が高いです。
手続きのご依頼・ご相談
本日は申込証拠金と募集株式発行手続きの流れなどを解説いたしました。
まとめますと、募集株式発行における申込証拠金とは、募集株式を申し込む際に、払込金額と同額もしくは一部の金額をあらかじめ払い込むことです。
払込期日までに引受人から払い込まれないことのデメリットを避けるために実務上認められている払込方法となります。
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