法人手続

株券を発行する方法を解説!株券発行会社へ移行する場合とは?

株券を発行するには


株券発行会社の定め

株式の質入れまたは株式の譲渡担保の設定などにおいて対抗要件を具備する目的として実際に発行された株券が必要となる場合があることからこの場合に、株券発行会社への移行を検討されるケースが見受けられます。
現行法においては、定款・登記によって株券を発行する定めのない限り株券不発行会社が原則となります。しかし、株式会社は、その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨を定款で定めることができ(会社法214条)、定款を変更することによって株券を実際に発行することが可能です。

株券発行会社へ移行

株券発行会社へ移行するには、定款を変更しなければなりません。したがって、そのための手続きは、以下の通りです。

1.株主総会の特別決議(会社法309条2項)
2.株券の発行
3.登記申請



株式会社における定款変更は、特別決議となり、その要件は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行います。この場合、定款変更に関し、「当社の発行する株式については、株券を発行する。」旨を設けます。
会社法では、株券発行会社は、株式を発行した日以後遅滞なく、当該株式に係る株券を発行しなければならないと定めています(会社法215条)。また、株券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、株券発行会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役)がこれに署名し、又は記名押印しなければなりません(会社法216条)。

①株券発行会社の商号
②当該株券に係る株式の数
③譲渡による当該株券に係る株式の取得について株式会社の承認を要することを定めたときはその旨
④種類株式発行会社にあっては、当該株券に係る株式の種類及びその内容



株券発行会社の株主は、当該株券発行会社に対し、当該株主の有する株式に係る株券の所持を希望しない旨を申し出ることができます(会社法217条1項)。この場合、保有する株式の数を明らかにしなければなりません。また、株式会社は遅滞なくこの旨を株主名簿に記載する必要があります。
また、株券発行に関する定款変更の効力発生日から2週間以内に株券発行会社である旨の登記を申請しなければなりません。登記申請にかかる登録免許税は3万円です。この場合における添付書類は、以下の通りです。

①株主総会議事録(定款の変更内容が分かるもの)
②株主リスト


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本日は株券発行について解説しました。
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