法人手続 / 監査役

監査役設置の意義を解説!社内監査役と社外監査役の役割など

監査役設置の意義とは


監査役設置義務

監査役を設置しなければならない会社には、公開会社、取締役会設置会社であって会計参与を設置していない会社が挙げられますが、会社法施行以降、原則、監査役の設置は任意となりました。
したがって、監査役を設置するか否かはその意義によって判断されることとなります。では、まず、会社法における監査役の権限は以下のようになります。

監査役の権限


第381条 
監査役は、取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の職務の執行を監査し、法務省令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。
2、監査役は、いつでも、取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対して事業の報告を求め、監査役設置会社の業務、財産状況の調査をすることができる。
3、監査役は、職務を行う必要があるときは、監査役設置会社の子会社に事業の報告を求め、子会社の業務、財産の状況の調査をすることができる。



監査役は、業務を執行する役割を担う取締役が目的の範囲外の業務を行うなど、違反行為をしていないかを監査する機関です。したがって、監査役には、事業報告を求めたり、財産状況を調査することのできる強い権限が与えられています。

社外監査役と社内監査役

監査役には社外監査役と社内監査役がいます。

社内監査役

社内監査役は、退任した取締役や従業員など、内部事情に詳しい者が選任されます。
社内監査役は、会社を熟知しており、会社の内部からの目線で監査することができるので、会社の性質をよく理解した上で問題点を指摘でき、細かい点にまで気づくことができます。
しかし、会社を客観的に見て問題を判断することが難しくなります。また、独任的な立場を保つことは難しく、取締役に対し厳しい意見をいうなどが難しくなります。それに対して、社外取締役は、就任前の10年間株式会社または子会社の取締役、会計参与、執行役、支配人その他の使用人であったことがない者でなければなることができません。
したがって、独任的な立場から取締役に対して厳しい意見を述べることができます。

社外監査役

また、社外監査役は弁護士、会計士、司法書士など、専門職の者が選任されることが多く、専門的な観点から問題を指摘することができます。また、監査役としての職務以外にも収入源があるため、会社に依存することがないので利害関係を有すことなく厳しく監査を実施することができます。

健全な会社運営に監査役設置は必要

このように、社外監査役と社内監査役でそれぞれ異なる面もありますが、監査役を設置することによって、会社のコーポレートガバナンスが強化され、経営の公正さを保つことができます。したがって、会社法施行によって廃止された制度というわけではなく、監査役の設置は、健全に会社を運営する上でとても重要な役割を担っていると言えます。
監査役を設置し、取締役が透明性のある業務を執行できるということは、取締役は、不祥事などのリスクを軽減することができるということです。何か問題があれば監査役が指摘してくれることになるので、取締役は、業務を執行して会社の利益を上げることだけに専念することができます。ゆえに、監査役を設置する意義は、経営監査と業務執行をしっかりとわけ、役割を分担することによって、会社の運営の効率化を目指すことができるということになります。

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本日は監査役設置の意義について解説しました。
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