コラム

登記懈怠・選任懈怠による過料決定が裁判所から届いたら?どのくらい登記を放置したら過料になる?支払わない方法はあるのか。登記懈怠による過料を解説

法人登記 / 登記申請手続(各種) / 裁判事務

登記懈怠・選任懈怠による過料決定が裁判所から届いたら?どのくらい登記を放置したら過料になる?支払わない方法はあるのか。登記懈怠による過料を解説


登記事項に変更が生じた日から2週間以内に登記する義務がある

会社法上、登記事項に変更が生じた場合は2週間以内に登記をしなければなりません(会社法第915条1項)。会社の登記事項に変更が生じたにも関わらず登記をせずに放置しておりますと、代表者個人に対し100万円以下の過料(罰金のようなもの)が科される場合がございます。登記懈怠には十分注意する必要があります。

なぜ登記の義務があるの

国が備える登記簿に、取引上重要な情報を登記(公示)することによって、取引相手の安全を保護しています。情報が古いことが原因で、取引の相手方に混乱を与えることを未然に防ぐために、登記事項(重要な事項)に変更が生じた場合、登記(公示)する義務を代表者に課しているのです。
しかしながら実際には、法人の代表者の多くは、登記に「義務」があることを知らなかった…という人が多いように見受けられます。司法書士含め専門家は、周知させる必要性があると考えます。

過料に処される対象は非常に曖昧である

登記懈怠をしたからといって必ずしも過料に処されるわけではございません。むしろ、過料に処されるのはごく一部であると言えます。
1カ月過ぎただけで過料に処された人もいれば、10年放置して登記したのに過料に処されなかったというケースが存在するのが現実です(法務局のノルマで毎年一定数の代表者が過料に処せられています)。
過料に処されるか否かはもはや「運」であるとしか言いようがない程、基準は曖昧です。ただ、2週間放置すれば、期間の大小に限らず過料に処される「可能性がある」ということだけは言えます。

過料決定に対する異議の申立て

裁判所の決定に対し、書面を受け取った日から1週間以内に「異議の申立て」を行うことが可能とはなっていますが、現実的にはこの決定を覆すことはほぼ不可能です。
弁護士を雇うだけ時間とお金の無駄になりますので、よっぽどの正当理由がある場合等でなければ、運が悪かったと割り切って甘んじて受け入れるしかありません。

過料は刑罰ではなく前科にもならない

過料は、行政罰(駐車違反等のようなもの)であり、刑罰ではありません。当然前科にも当然なりません。そしてこの過料は代表者「個人」に課され、会社に対する制裁はございません(決定書は代表者個人宅に届き、会社には届きません)。そのため、過料は会社の経費・損失には計上できません。
過料決定書には「被審人」や「会社法違反事件」等記載されるため、言葉が強く大変驚く方も多いですが、支払えば終わりですので、ご安心ください。

過料の相場は1期3万円程である

法律上は、100万円以下の過料と規定されていますが、現実の過料の金額はいくらになるのか法務局に問い合わせたところ、1期3万円が相場であると回答がありました。
2期放置すれば、6万円程ということになりますね。
金額の決定基準は明確なものはございませんが、満額100万円の過料に処された代表者は今のところ、確認できていません。
1期3万円程度と覚えておくと良いでしょう。

過料決定書に記載される内容

裁判所から届く書面には下記のような文が掲載されています。

主文
被審人を過料金●万円に処する。
本件手続費用は、被審人の負担とする。

理由
被審人は左記法人の代表者に在任中、●年●月●日から2週間以内にすべき左記の登記を●年●月●日まで怠った。

適条
会社法第●条、非訟事件手続法第●条~…


「左記」には、法人の商号・代表者の氏名及び住所・登記項目が記載されています。
言葉が強いせいか、まるで極悪人のようだ…と落胆される方もいらっしゃいます。
ただ、上述したように「前科」になる「刑事罰」ではないので安心してください。

さいごに

いかがでしたでしょうか。本日は登記懈怠について説明させていただきました。役員の任期を10年に設定している会社はつい任期を忘れがちです。カレンダーにあらかじめつけておく等して忘れずに手続をしましょう。司法書士等の専門家に管理をお願いしても良いかもしれません。
変更登記に関するご相談は、永田町司法書士事務所までお問い合わせください。

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