一般財団法人 / 解散・清算

一般財団法人の解散手続きと解散事由を解説!評議員会の決議による解散は認められない?



一般財団法人の解散手続きと解散事由を解説!評議員会の決議による解散は認められない?


一般財団法人の解散事由

一般財団法人の解散事由は次のとおりとなります(法人法第202条1項)。

1.定款で定めた存続期間の満了
2.定款で定めた解散の事由の発生
3.一般財団法人の目的である事業の成功の不能
4.合併(消滅法人になる場合に限る)
5.破産手続開始の決定
6.解散を命ずる裁判


評議員会決議による解散はできない

一般社団法人の場合は、社員総会の決議によって解散することが認められますが(法人法148条3号)一般財団法人の場合は、評議員会の決議によって解散することは認められません。
これは、設立者が定めた目的実現をするため法人格が認められるため一般財団法人の機関である評議員から構成される評議員会が解散を決議することは背理であると考えられるためです。

一般財団法人特有の純資産要件と解散事由

株式会社などは、たとえ純資産がマイナスになったとしてもそれをもって解散をしなければならない規定は存在しません。
しかし、一般財団法人においては、2期連続して純資産の額が300万円未満となった場合は翌年度の定時評議員会終結時に解散します(法人法第202条2項)。

(法人法第202条2項)
一般財団法人は、前項各号に掲げる事由のほか、ある事業年度及びその翌事業年度に係る貸借対照表上の純資産額がいずれも300万円未満となった場合においても、当該翌事業年度に関する定時評議員会の終結の時に解散する。


法人継続要件

純資産が2期連続300万円未満となり、法人法第202条2項の解散事由に該当した場合であっても、法人継続は可能です。
手続きとしては、翌年度の定時評議員会終結時において解散することになりますので、法人法第202条2項に基づく解散決議を行い、すぐに財団法人へ資金を拠出し、純資産を300万円以上に回復させた上で、継続決議を行い、決算書を作成・添付の上、解散と継続の登記を同時に申請することになります。新たな拠出は、どのタイミングでしてもかまいません。解散後だけでなく、継続を決めているのであれば事業年度途中で拠出してもかまいませんが、一度2期連続300万円未満になっている場合は、解散事由に該当するためこれを省略することは出来ません。
なお、財団法人は、監事設置義務がありますが、解散と同時に任期満了退任いたします(株式会社の場合は解散しても監査役は自動退任しないためここは異なるところです)。

継続を前提とした場合の解散公告の有無

解散をする場合、解散公告を行う必要がございますが、継続を前提とする場合は、解散公告を行う必要はないと考えられています。
解散公告をする趣旨は、清算に向けて債権者の債権申出の機会確保(債権者保護)のためであり、法人が継続する場合は、債権者保護の必要がないためです。
登記を申請する際の添付書面は、①社員総会議事録(解散及び継続決議)、②貸借対照表(純資産を確認するため)、③定款など、④登記委任状、⑤印鑑届出書

存続期間の定めの設定

上述のとおり、一般財団法人は評議員会の決議によって解散することは認められません。
設立者や評議員が解散を希望した場合、法人はどうすればいいのでしょうか
この場合、存続期間の定めを行い、存続期間満了による解散をすることが考えられます。
存続期間の定めは、定款の相対的記載事項です。定めた場合は登記事項となりますので、存続期間を新たに定めた場合は、登記が必要です。
存続期間の定めの手続きは、評議員会の決議によって行います。登録免許税は3万円となります。

手続きのご依頼・ご相談

本日は一般財団法人の解散手続きと解散事由を解説しました。
会社法人登記手続きに関するご依頼・ご相談は司法書士法人永田町事務所までお問い合わせください。



会社法人登記(商業登記)の

ご相談・ご依頼はこちら
お問い合わせ LINE

ご相談・お問い合わせはこちらから