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債務超過解散とは?特別清算するとどうなるのか特徴など解説!債権者の回収手段



債務超過解散とは?特別清算するとどうなるのか


債務超過解散(特別清算)とは

債務超過解散は名称の通り、債務超過の株式会社が廃業する手続きです。
特別清算とも言いますが、倒産手続の一つであり、実行すれば会社は解散して消滅します。

倒産手続にはいくつかの種類があり、破産や民事再生では原則、債権額に応じた均等返済の義務があります(債権者平等の原則)。
しかし、特別清算になると、債権者によって返済割合を変えることが可能となり、ここが大きなポイントです。

債権者側の同意が必要ですが、たとえば少額債務の取引先へ優先返済することで、巻き込む相手を減らすことも可能でしょう。
もしくは担保権の債務を優先返済し、財産を守ることも可能です。
特別清算が許されているのは株式会社であり、解散を前提として裁判所へ申立てをし、事情が認められれば開始できます。

特別清算が認められる事情とは

裁判所が特別清算を認める事情は、以下の通りです。

・清算の遂行に著しい支障を来すべき事情がある
・債務超過の疑いがある



清算が非常に難しい事情というのは、たとえば、債権者があまりに多数存在するような場合です。
債権債務関係が複雑な場合、裁判所が各々に不利益が生じないようコントロールする必要が生じます。
また、債務超過というのはもちろん、財産総額より債務総額が上回っている状況です。
こうした事項に該当する場合、清算人は裁判所へ特別清算の申立てをし、認めてもらう必要があります。

特別清算になるとどうなるのか

それでは特別清算になると、具体的にどうなるのでしょうか。

財産への強制執行などがすべて禁止になる

まず、清算開始とともに財産の強制執行や仮差押え、破産の申立てが禁止となります。
場合によっては債権者が独自に進めている手続きもあるでしょうが、裁判所の特別清算開始の命令とともにそれらはすべてが失効となるのです。
差押えになっているものも解除されます。

担保権の実行は可能

ただし、担保権は実行可能で、担保を持っている債権者は特別清算中もそれを競売にかけて債権回収に回すことは可能です。
これを中止させて財産を守りたいなら、債務者側は担保権実行手続の中止命令を裁判所に出してもらう必要があります。

相殺の禁止

また、たとえば特別清算を開始した後に債権者が債務者から借金し、それを自分の債権と相殺することで債権回収することも禁止されます。(相殺の禁止)

財産処分はすべて裁判所の許可が必要となる

会社の財産はすべて裁判所の監督下に置かれることになり、処分や借財、権利放棄、事業譲渡などすべては裁判所が許可しなければできなくなります。
とはいえ、実務にあたるのは「清算人」であり、清算人は多くの場合、取締役などが裁判所から選任されます。
つまり、清算人に選ばれた責任者が裁判所の許可を取りながら財産の管理と処分を行い、現金化して債権者への返済や従業員給料に充てる形を採れるようになるのです。

債権者への返済は額に応じて平等割にしなければなりませんが、裁判所の許可を得ることで比較的自由な返済をすることもできます。

さいごに

本日は債務超過清算(特別清算)について基本事項を解説いたしました。
解散に関するお問い合わせは永田町司法書士事務所までお問い合わせください。



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