不動産登記手続

敷地権とは?敷地権の性質・登録免許税の計算方法

敷地権の登記


敷地権とは?敷地権の性質

 敷地権とは、土地と建物が一体となって登記されている権利形態のことである。例えば、分譲マンションなどの区分所有建物の一室を購入した場合、専有部分の所有権、共有部分の共有持分、土地の共有持分を所有することとなる。区分所有法では、これらの権利のうち、専有部分の所有と土地の共有持分を分離して処分してはならないと定めている。
かつては、マンションという概念はなく、マンションが登場した初期の頃は、建物の登記と土地の登記が別々に登記されていた。
昔の登記簿は紙であり、マンションが売れるたびに普通の土地と同じように持分移転をするたびにその都度記入していく方法をとっていた。しかし、建築技術の発展に伴い、マンションの専有部分の数は増え、タワーマンションにおいては一棟に1000近くの専有部分を有するものも存する。この方法では、甲区・乙区共の番数がとてつもなく長くなり、とてもややこしい登記簿となってしまう。
そこで、「敷地権の表示」をし、専有部分と土地の共有持分を合わせて登記することによって公示するという方法を取るようになった。
したがって、建物登記の表題部であっても、登記記録の中に土地に関しての情報を記入することとなる。ゆえに、建物に関し、所有権の移転や担保権の設定がなされれば、土地の共有持分にもその効力が及ぶ。

登録免許税の計算

 では、敷地権付き区分建物を購入した場合、登録免許税はどのように計算されるのであろうか。まず、建物の課税評価額が金1000万円であるとする。そして、全体の土地の課税評価額が1億円で持分が100分の1であった場合、1億に100分の1を乗じた数が敷地権に対する土地の課税評価額となり金100万円となる。敷地権が所有権である場合、これらの課税評価額を足して1000分の20を乗じた数が登録免許税であり、金22万円となる。ここで気をつけなければならないのが、敷地権が地上権などの用役権であった場合、建物に関してはそのまま1000分の20を乗じるが、土地の共有分に乗じる数は1000分の10となる。
以上の場合は、甲区所有者から購入した場合であるが、敷地権の表示の登記のある区分建物を表題部所有者から購入する場合、所有権保存登記となり、登録免許税も変わってくる。
いわゆる、新築で建設会社から購入するのか、中古で所有者から購入するのかの違いである。原則、表題部から権利部を最初に登記する所有権保存登記は、①表題部所有者又はその相続人その一般承継人、②所有権を有すると確定判決で確認された者、③収用によって所有権を取得した者である(不動産登記法74条)。しかし、不動産登記法74条2項では、敷地権付き区分建物にあっては、表題部所有者から所有権を取得した者であっても所有権保存登記ができると定められている。所有権保存登記におけるおける登録免許税は、課税評価額に1000分の4を乗じた数となる。しかし、敷地権付き区分建物の場合は、建物の課税評価額に1000分の4を乗じた数と土地の共有持分についての課税評価額に所有権の場合は1000分の20、地上権などの用役権出会った場合は1000分の10を乗じた数となる。これは、74条2項による敷地権付き区分建物の登記は、建物の所有権保存登記と敷地権の移転登記であるからだと考えられている。

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本日は敷地権の基本と敷地権の性質・登録免許税の考え方などについて解説しました。
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