手続について

電子公告調査依頼を忘れてしまっていた場合はどうなる?



電子公告調査依頼を忘れてしまっていた場合はどうなる?


電子公告調査とは

会社では合併や資本減少などを行う際、公告を行わなくてはなりません。
従来は、官報や日刊新聞紙に掲載する方法で行われていましたが、現在では会社のホームページに掲載するなど、インターネットによる電子公告も認められるようになりました。
電子公告を実施する場合、あらかじめ会社の定款に定めるとともに、電子公告をした場合、決算公告を除き、法務大臣に登録した電子公告調査機関による調査を依頼しなくてはなりません。
なぜかというと、官報や新聞の場合は紙面により公告した日付などが明らかになりますが、インターネットの場合は、公告すべき期間に実際に掲載が行われていたか証明する手段がないためです。

そこで、電子公告調査機関が調査を行い、公告すべき期間に確実に公告が行われていたことを一定時間ごとに確認するなどします。
その結果を通知します。
会社は調査結果通知を、公告したことを証明する書面として、合併や資本減少などの登記をする際の必要書類として添付することで登記を行うことが可能です。

電子公告調査依頼を忘れたらどうなるのか

決算公告を除き、調査機関に調査を依頼する義務があるため、それを忘れてしまった場合は、100万円以下の過料に処せられます。
ただし、依頼を忘れたとしても、電子公告をしたことの効果には影響を与えません。
ですが、合併や資本減少、株式交換や株式移転など、登記申請を行う必要ある場合に添付書類として公告をしたことを証する書面が求められる場合には添付ができなくなります。
電子公告調査機関の調査は遡って行うことはできないためです。
なぜなら、電子公告を行うべき期間に行われていたかをリアルタイムで調査する必要があり、後追いで、その時に行われていたといった証明は困難なためです。

予備的公告方法の定めやサービスの利用

電子公告を利用する旨を定款に定める際、予備的公告方法として、官報または日刊新聞による公告もあわせて行うことを定めることができます。
なぜ予備的公告方法を定められるようになっているかといえば、官報や新聞と異なり、インターネットの場合はサーバダウンやサイト攻撃、システム障害など、なんらかのトラブルにより電子公告ができないリスクがあるためです。
もっとも、この場合には電子公告調査機関の調査の依頼を忘れないようにするだけでなく、官報または新聞への公告を行うことも忘れないようにしなくてはなりません。
この点、電子公告調査機関へ依頼、調査結果の受取、調査費用の支払いまで代行してくれるサービスも登場しているので、忘れるリスクを回避するために利用することも検討に値します。

手続きのご依頼・ご相談

本日は電子公告調査依頼を忘れてしまっていた場合はどうなるのかについて、解説しました。
手続きに関するご依頼・ご相談は司法書士法人永田町事務所までお問い合わせください。


本記事の著者・編集者

司法書士法人永田町事務所

債務整理・商業登記全般・組織再編・ファンド組成などの業務等を幅広く取り扱う、加陽 麻里布(かよう・まりの)が代表の司法書士事務所。
【保有資格】
司法書士登録証

会社法人登記(商業登記)の

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