解散・清算

会社が解散した場合の会社の資産の行方は?解散後の手続きの流れと清算や分配について解説します



会社解散後、会社の資産はどうなる?


会社が解散した場合の会社の資産の行方

会社が解散した場合、債務超過や倒産でなんらの資産が残らない場合を除いては、一般的に、本社の土地建物、直前まで事業を行っていた事業の設備などなんらかの資産が残されている場合が少なくありません。
解散後に残った資産はどのようになるのでしょうか。

会社が解散すると清算が始まる

会社は株式総会の決議などを経て解散した場合、そのまますぐに法人格がなくなるわけでは当然ありません。会社には債権債務や資産などが残されているので、それを清算するための清算手続きが行われることになります。この清算手続きを行うために清算人が選任されます。清算人は一般的には当時の代表者が清算人となるケースが多く、清算人は会社財産の調査を行い、財産目録を作成することが仕事となります。

清算手続きと優先順位

清算人は現金や預貯金を集めるとともに、不動産や動産など売却可能なものについては売却し換価します。
売掛金など支払いや返済を受けていない債権があれば、債権の取り立ても行います。
一方で、背負っている債務に関しては当然弁済をしなくてはなりません。解散後に残された資産では、すべての債務を弁済しきれないおそれもあります。
このような場合に備えて、債権者には優先順位が設けられています。

まずは税金の支払い

まずは、国税や地方税の債権が優先され、滞納していた税金などを支払います。

次に従業員に対する支払い

次に従業員に対する未払給与や未払の退職金があれば、それを支払わなくてはなりません。

最後に金融機関などへ支払い

それでも残りがあれば、金融機関や取引先などの債権者への弁済が行われます。
なお、金融機関の場合は担保を設定して融資していることも多いため、解散前などに担保権を実行して資金を回収していることも少なくありません。

残余財産の分配

会社の資産を換価して債務の弁済をすべて終えても、まだ財産が残っている場合には、出資を行った会社のオーナーである株主に残余財産の分配がなされます。
株主有限責任の原則があるため、株主は会社に万が一のことがあれば、出資した額までは失うことも覚悟する必要があります。
一方で、すべての債権者に弁済しても、残りがあれば、初めて残余財産の分配が受けられます。株主は保有する株式の数の割合に応じて、残余財産の分配を受けることが可能です。
なお、当然ですが、保有株式が多い人から優先的に分配されるのではなく、あくまでも株式数で按分した割合で平等に分配が受けられます。

清算結了し法人格が消滅

すべての残余財産が分配が終わり、清算人は、決算報告書を作成しこれを株主総会で承認してもらい、清算結了の登記を申請することで法人格が消滅することになります。

手続きのご依頼・ご相談

本日は会社が解散した場合の会社の資産の行方や解散後の手続きなどについて解説しました。
解散・清算などに関するお問い合わせは永田町司法書士事務所までお問い合わせください。



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