株式交換において債権者保護手続(公告・個別催告)が必要な場合を解説
株式交換において債権者保護手続(公告・個別催告)が必要な場合を解説
株式交換手続
株式交換とは、ある株式会社がある会社を100%子会社とするため子会社となる会社の株主に対して、その保有している株式を親会社となる会社株式に交換する手続を指します。別会社から発行済株式数のすべてを取得した会社は完全親会社と呼ばれ、発行済株式の全部を取得された会社は完全子会社と呼ばれ、主に企業再編を目的として行われます。「株式交換」と呼ばれるため、株式と何かを交換しするのが原則となります。株式同士を交換する方法が一般的ではありますが、株式と現金を交換する方法などもあります。なお、無対価の株式交換も行うことは可能です。
原則債権者保護手続は不要
株式交換手続において債権者保護手続は、原則不要となります。
ただし次のような場合には債権者保護手続が必要となります。
債権者保護手続が必要な場合
完全子会社で必要な場合
株式交換完全子会社が新株予約権付社債を発行している場合において、株式交換契約の定めに基づいて、子会社が発行する新株予約権付社債の新株予約権者に対して、完全親会社の新株予約権を代替交付する場合は、当該新株予約権付社債の「社債権者」は異議を述べることができるので、完全子会社において債権者保護手続が必要になります(会社法第789条1項3号)。
完全親会社で必要な場合
完全親会社で債権者保護手続が必要な場合は2つあります。
①株式交換完全子会社において債権者保護手続が必要な場合(上記完全子会社で必要な場合の要件を参照)、株式交換完全親会社の債権者は、異議を述べることができますので、完全親会社において債権者保護手続が必要になります(会社法第799条1項3号)。
②また、完全親株式会社が株式以外の金銭等を対価として完全子会社に交付する場合であって、その対価の合計額が、株式交付の対価の総額(株式交付親会社の株式を含む)の20分の1以上である場合(規則198条)債権者保護手続が必要となります。これは、株式以外の財産(金銭等)を交換対価として交付することによって株式交換完全親会社の財産状態が悪化する恐れがあるため、債権者保護手続を求める趣旨です。
まとめ
本日は株式交換において債権者保護手続きが必要な場合を親会社と子会社別に解説いたしました。
株式交換に関するお問い合わせは永田町司法書士事務所までお問い合わせくださいませ。