合併 / 組織再編

簡易合併の要件や認められないケースを簡単解説

簡易合併の要件や認められないケースを簡単解説


簡易合併とは

株式会社が吸収合併を行う場合、株主総会の承認が必要です。
もっとも、株主が合併に反対する場合や賛成多数であっても、株主総会を開催するための招集手続きや総会を開くのに日数がかかってしまいます。
ビジネスのスピードが加速し、グローバルな競争が行われる時代にあって、合併がスムーズにできないことは、存続会社の競争力低下を招く場合や吸収される会社の事業を脅かすケースも少なくありません。
時間をかけている間に、他社が吸収したい会社を狙うことや吸収しようとしている会社を買収しようと動くおそれもあります。
そこで、一定の要件を満たす場合には、存続会社の株主総会の承認決議を不要とし、本来の合併手続きを簡略できるとした制度が簡易合併です。

簡易合併が認められるための要件

簡易合併が認められるためには、吸収する存続会社と吸収される消滅会社の資産規模に関する要件をクリアしなくてはなりません。
具体的には、消滅会社の株主に交付する存続会社の株式数に1株あたりの純資産額を乗じた額と消滅会社の株主に交付する存続会社の株式以外の財産の帳簿価格の合計額が、存続会社の純資産額の5分の1を超えないことが求められます。

要件を満たしていないと、簡易合併はできません。
もし、スピードを求めているのではなく、株主総会で非承認となるのを避けるために簡易合併を望むのであれば、事前に吸収を考えている会社が増資を行い、純資産を増やして簡易合併の要件を満たしてから行うことも選択肢の一つです。

簡易合併が認められないケース

もっとも、要件を満たしていても、簡易合併が認められないケースも定められているため、注意しなくてはなりません。
合併をすることで存続会社に合併差損が生じる場合や存続会社が公開会社でなく消滅会社の株主に存続会社の譲渡制限株式が交付される場合です。

前者の場合、存続会社の経営が悪化する場合や株価が下がるおそれがあり、株主の利益を低下させるリスクがあるため、株主総会の承認決議は省略できません。
後者の譲渡制限会社では、株主同士の関係が近い場合や意見が通りやすい関係にあります。
そこに見ず知らずの株主が入ってくるわけなので、反対したい株主もいるはずです。
譲渡制限がある以上、株主関係を抜けたくても、簡単に市場で売ることもできないため、株主総会の承認決議を行い、承認を得ることが求められるのです。

なお、簡易合併を行った場合でも、合併の効力発生日の20日前までに行う株主への通知または合併公告の日から2週間以内に、議決権を行使できる株式総数の6分の1を超える株式を有する株主が、存続会社に対して反対を通知した時は、効力発生日の前日までに存続会社の株主総会の承認を得なくてはなりません。

まとめ

本日は簡易合併の要件をご紹介しました。
合併に関するお問い合わせは永田町司法書士事務所までお問い合わせください。


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