株主総会 / 法人手続

株主提案権とは?議案と議題の違い、保有要件、持ち株数要件など網羅解説!



株主提案権とは?議案と議題について

株主提案権とは、株主総会の招集権者である取締役に対して、新たな議案・議題を株主総会に上程すること提案して、当該議案・議題を株主総会の目的事項とすることを請求できる権利です。株主提案権には、以下の2種類があります。

①議題提案件
②議案提出権


議題と議案の違い

この「議題」と「議案」はどう違うのかといいますと、「議題」とは、「取締役選任の件」というような会議の目的を指します。
一方で「議案」とは、例えば「取締役●●●●選任の件」というように議題の対象となる具体的な提案のことを言います。
議題がなければ議案を提案することは出来ません。なので、議題>議案となります。
株主は会社の経営に参加させることが出来る権利を持ちます。この株主提案権はその一種となります。
そして、この株主提案権の行使には一定の条件があります。

会社法303条1項

株主は、取締役に対し、一定の事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。次項において同じ。)を株主総会の目的とすることを請求することができる。



これは上述の「議題」「議案」のことを指します。
それでは2項、3項をみていきましょう。

「議題」提案権

取締役会設置会社の場合

非公開会社で取締役会を設置する会社の場合、総株主の議決権の100分の1以上の議決権、または300個以上の議決権を有する場合は、株主から会社に対して株主総会の目的としていない議題について、新たに提案することが可能です(会303条3項)。
この議題請求は、株主総会の8週間前にまでに行う必要があります(会303条2項)。
定時総会であればある程度準備が出来ますが臨時総会はいつ開催されるか分からないため、提案は早めに行う必要があると考えます。
なお、提案できる議題は株主が議決権を行使できる事項に限られますので、有する株式が無議決権株式である場合には、議題請求を行うことは出来ません。

会社法303条2項

前項の規定にかかわらず、取締役会設置会社においては、総株主の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権又は三百個(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その個数)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主に限り、取締役に対し、一定の事項を株主総会の目的とすることを請求することができる。この場合において、その請求は、株主総会の日の八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までにしなければならない。


取締役会非設置会社の場合

取締役会非設置会社の場合は、上述のような議決権の条件はなく、単独株主権として1単位以上有する株主は取締役に対して新たな議題を株主総会の目的とすることを請求できます(会303条1項)。会社が株主総会の目的事項としない議題について、株主から新たに提案することができるのです。

保有期間要件

株主提案権(議題・議案提案権)を行使する場合、公開会社のみ、引続き6カ月以上前から株式を有している必要があります。
公開会社は株の譲渡がいつでも自由に行うことが出来るため、議題・議案の提案権が濫用されるリスクがあります。そのため、6カ月前から保有することを要件に定めていますが、非公開会社の場合は株式のすべてに譲渡制限がかかっているため、議題・議案の提案権が濫用されるリスクが低いと言えるため非公開会社には適用がありません。

会社法303条3項

公開会社でない取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。


「議案」提出権

上述のように議案とは議題をより具体化したものを指します。「取締役選任の件」という「議題」があるから「取締役●●●●選任」という「議案」が存在いたします。この議案を提出する場合の要件をみていきましょう。

事前に議案を提出する場合

非公開会社で取締役会を設置する会社の場合、総株主の議決権の100分の1以上の議決権、または300個以上の議決権を有する場合は、株主から会社に対して株主総会の目的としていない議題について、新たに提案することが可能です(会303条3項)。
この議題請求は、株主総会の8週間前にまでに行う必要があります(会303条2項)。これは上記議題提案権と同じです。

会社法305条1項

株主は、取締役に対し、株主総会の日の8週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、株主総会の目的である事項につき当該株主が提出しようとする議案の要領を株主に通知すること(第299条第2項又は第3項の通知をする場合にあっては、その通知に記載し、又は記録すること)を請求することができる。ただし、取締役会設置会社においては、総株主の議決権の100分の1(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権又は300個(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その個数)以上の議決権を6箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主に限り、当該請求をすることができる。


当日に議案を提出する場合

株主総会当日において、会社が提出する議案を修正するか、若しくは、反対する議案を提出する場合に会社が提出する議題について議案を提出することが可能です。

会社法304条本文

株主は、株主総会において、株主総会の目的である事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。次条第1項において同じ。)につき議案を提出することができる。


議案を提出できない場合

次の場合には事前又は総会当日に議案を提出することが出来ません。

①法令や定款に違反する内容の場合
② 実質的に同一内容で株主総会で総株主に議決権の10分の1(これを下回る割合を定款で定めた場合、その割合)以上の賛成を得られなかった日から3年を経過していない場合

法令や定款に違反する内容はもとより②の同一内容の要件については、10分の1以上賛成を得られなかった議案というのは、株主の多くが望んでいないことは明らかとなります。翌年度、同様の議案を提出しても否決可能性が高いため、10分の1以上賛成を得られなかった議案は3年を経過するまでは再度提出することが出来ないと定めました。

会社法304条但し書き

ただし、当該議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき株主総会において総株主(当該議案について議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合は、この限りでない。


まとめ

本日は「議題」「議案」株主提案権について解説しました。
似た論点が多いため整理いたしますと、公開会社か非公開会社かで変わるのは6カ月の保有要件です。株式の流通性を踏まえて権利濫用がされないように規定されています。
取締役会設置会社か否かで変わるのは、持ち株数要件になります。取締役会設置会社であれば、株主提案権を行使するには、総株主の議決権の100分の1以上の議決権又は300個の議決権を持っている必要がありますが、取締役会非設置会社の場合はこのような要件はありません。
そして事前に株主提案権を行使する場合は、公開会社であっても非公開会社であっても、取締役会があってもなくても8週間前までに会社に対して行わなくてはいけません。
本日は、株主総会の株主提案権についてご紹介いたしました。
会社法人登記については 永田町司法書士事務所までお問い合わせください。


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