登記申請手続(各種)

電子公告とは?メリット・デメリット・手続方法について解説



電子公告とは?メリット・デメリット・手続方法について解説


電子公告とは?

電子公告について理解する前に「公告」とは何か、その種類などに触れます。
「公告」は、政府や公共団体、会社などが、ある事項について一般に知らせることです。
公告の種類としては、「決算公告」や「決定公告」などがあります。

ちなみに、「公告」と同じ発音のものとしては、「広告」があります。
広告は、テレビやWebコマーシャル、チラシの配布などによる宣伝活動のことです。
「公告」と「広告」は内容が異なりますので、混同しないように注意してください。
この「公告」をインターネットを利用して行うのが、「電子公告」なのです。
具体的に説明すると、株式会社の合併や資本増減などの情報をPDFファイルなどにして、自社のホームページなどに掲載して一般に知らせることです。

電子公告のメリット

電子公告のメリットは、決算公告を除き費用が抑えられることです。
官報公告や新聞公告などを利用する場合は、紙面を割くためどうしても費用がかかります。
電子公告を利用すれば、サーバーやドメイン代などの費用しかかかりません。
また、電子公告を利用することで、株主や債権者はもちろんのこと、世界中の人がその内容を閲覧できるというメリットもあります。

電子公告のデメリット

電子公告のデメリットは、貸借対照表の全文を掲載しなければならないため、手間がかかることです。
官報や新聞の場合は、紙面に限界があるためその「要旨」だけでいいとされていますが、電子公告の場合は、紙面の懸念などは問題とならないため、その全文の掲載を求められます。
また、電子公告を利用する場合は、決算公告を5年間掲載しなければなりません。
そのため、突然のサーバーダウンに備えることや不正アクセスや改ざん防止などセキュリティ対策をしっかり行う必要があります。

公告方法を電子公告とする場合は登記が必要

定款の公告方法の定めを電子公告とする変更を行った上で、その旨の変更登記を行います。
決算公告を電子公告で行う場合は、ウェブサイトのアドレスも登記する必要があります。

「公告したことを証する書面」の発行コストが電子公告は高い

合併など、債権者保護手続が必要な手続などの際に、決算公告を行う必要があります。
この時、登記手続では、「公告をしたことを証する書面」を添付いたします。
官報公告などで決算公告を行った場合は、この「公告をしたことを証する書面」は、官報紙となります。

しかし電子公告の場合は、調査会社に調査を依頼して、調査会社より「公告をしたことを証る書面」を発行していただく必要があります。
自社申告となると、公告期間のごまかしや改ざんのリスクがあるため、第三者が調査を行う必要があります。
調査方法は、まず会社は電子公告調査機関へ調査を委託します。
電子公告調査機関は、調査の受託をしたことを法務大臣へ報告したうえで、公告の改ざんが行われていないかなどチェックをします。
電子公告期間が満了となると、電子公告調査も終了となります。その後、 電子公告調査機関から会社に対して、調査結果が届くという流れになります。調査委託料は、調査会社によって異なります。

調査結果を受け取った会社は、その結果を「公告をしたことを証する書面」として合併などの登記申請書へ添付しなければなりません。
電子公告の手続きについては、法務省のホームページにも詳しい記載があります。手続きを行う前に目を通しておいたほうが良いでしょう。

官報+電子公告(決算公告のみ)も可能

公告方法は組み合わせることが出来ます。
通常は官報に公告を行いますが、決算公告のみ紙面を割くため電子公告とすることが可能です。

結論として1番安く済む公告方法

官報+電子公告(決算公告のみ)が1番コストが抑えられます。
なお、合同会社の場合は、決算公告義務がないため、公告方法は官報のみで良いでしょう。

さいごに

本日は、電子公告についてご紹介させていただきました。
公告方法の変更や登記などのご相談は永田町司法書士事務所までお問い合わせください。



本記事の著者・編集者

司法書士法人永田町事務所

債務整理・商業登記全般・組織再編・ファンド組成などの業務等を幅広く取り扱う、加陽 麻里布(かよう・まりの)が代表の司法書士事務所。
【保有資格】
司法書士登録証

会社法人登記(商業登記)の

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