コラム

財産全部を愛人に、という遺言が!法的にはどうなの。対応方法等

民法基礎知識 / 相続、遺産承継業務

財産全部を愛人に、という遺言が!


遺留分侵害額請求権

まず、遺留分侵害額請求権についてご説明させて頂きます。

別の回でもご説明させて頂きましたが、遺留分とは、亡くなられた方(被相続人)の財産について、一定の範囲の法定相続人が、最低限の財産を相続によって取得することができるよう、民法が定めている遺産取得分のことをいいます。

民法では、被相続人の財産を誰にどのくらいの割合で分け与えるかについては被相続人本人が自由に定めることができます。
しかし、これでは、相続人間で不公平が起きる可能性が高いため、一定の近しい法定相続人が最低限取得できる相続財産の割合を民法で設けているのです。

特定財産承継遺言

遺留分に関しては、被相続人が遺留分を侵害する贈与や遺贈をした場合、遺留分権利者及びその承継人は、遺留分を侵害している受遺者(特定財産承継遺言により財産を承継し、又は相続分の指定を受けた相続人を含みます。)や受贈者に対して遺留分侵害額に相当する金銭の支払いの請求をすることができます(民法1046条)。
上述の特定財産承継遺言とは、遺産に属する特定の財産を、共同相続人の一人又は数人に承継させる旨の遺言のことをいいます(民法1014条2項)。
もっとも、遺留分を侵害された法定相続人が納得していれば遺留分侵害額請求権を行使しなくてもよいのです。

ただし、遺留分侵害額請求権の行使には消滅時効(遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から10年を経過したときも同様とする(民法1048条))があるため、遺留分侵害額請求権を行使しようと決めた方は速やかにお手続きを開始することをお勧めします。

遺留分侵害額請求権の行使方法

遺留分侵害額請求権を行使する方法としては、至ってシンプルなものとなっており、相手方に「意思表示」を行うことによって請求することが可能です。
この意思表示とは、自分の意思を表示するということなので、遺留分侵害額請求権を行使する旨を相手に伝えるというようなイメージをして頂ければ良いでしょう。ポイントとしては、配達証明付きの内容証明郵便で相手方に送ることです。これによって、遺留分侵害額請求権をいつ行使したのかが記録として残ることとなり、消滅時効にかからないようにすることができるからです。

ただし、相手方が応じない場合に関しては、遺留分侵害額の請求調停という形で家庭裁判所に調停の申し立てをし、解決を図ることとなります。
さて、題名にあった「財産全部を愛人に」と言う遺言書があったとしても、遺留分の侵害を受けた相続人は、遺留分侵害額請求権を行使することが可能です。

具体例

たとえば、夫が亡くなったとして、愛人に全ての財産を渡されてしまったりなど、被相続人の自由な処分に任せていては、残された妻や、子など本来の相続人が、住む場所を失う可能性がありますし、残された家族が路頭に迷うことになったり、被相続人が財産を形成するのに寄与した相続人の功労が無視されたり、相続財産への相続人の期待を損なうようなことにもなりかねません。そこで、遺留分侵害額請求権を行使することによって、遺留分侵害額相当の金銭を受け取ることができるようになっています。

さいごに

いかがでしたでしょうか。本日は遺留分についての説明等もさせていただきました。
相続遺産承継に関するご相談は千代田区の永田町司法書士事務所までお問い合わせください。

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