公告 / 減資 / 登記申請手続(各種)

ダブル公告は本当に必要か?減資手続における公告の取扱い

債権者保護手続と公告の原則

株式会社が資本金や準備金を減少する場合には、会社法449条に基づき債権者保護手続が必要となります。
具体的には以下を行います。

・官報による公告
・知れたる債権者への個別催告

ただし、定款に基づき「電子公告」や「日刊新聞紙」など別途の公告方法を定めている場合、官報公告に加えて当該公告方法を併用すれば個別催告を省略できるとされています。
これがいわゆる「ダブル公告」です。

特殊なケース

ある会社が減資手続を行うにあたり、公告方法を電子公告に定めていました。
ところが、その会社には「知れたる債権者が存在しない」という状況でした。

通常であれば、
・電子公告+官報公告(ダブル公告)で個別催告不要
・官報公告+個別催告

のいずれかの形を取ります。
しかし、このケースでは「知れたる債権者がいないため個別催告を行う必要がない」という点がポイントとなります。

ダブル公告は必須ではない

条文上、ダブル公告は義務ではなく選択肢の一つです。
したがって、債権者が存在しない場合には、電子公告をわざわざ行う必要はなく、官報公告に公告方法を変更する必要もありません。

結論として、
「ダブル公告しない」
「個別催告もしない」

という形で手続を進めても問題はありません。

実務上の留意点

もっとも、公告方法が電子公告である会社で公告がなされないと、外部からは「公告漏れ」と誤解されるおそれがあります。
特に法務局の審査においても、公告方法が確認されるため、事前に法務局に確認を行うことが望ましいでしょう。
このように、理論的には問題のないケースであっても、実務では「電子公告しなくて良いのか」と会社が不安を抱くのは自然なことです。
公告方法と債権者の有無を踏まえたうえで、適切に対応することが求められます。

手続きのご依頼・ご相談

本日は、ダブル公告は本当に必要か?減資手続における公告の取扱いについて解説いたしました。
会社法人登記(商業登記)に関するご依頼・ご相談は、司法書士法人永田町事務所までお問い合わせください。

本記事の著者・編集者

司法書士法人永田町事務所

商業登記全般・組織再編・ファンド組成・債務整理などの業務を幅広く取り扱う、加陽 麻里布(かよう・まりの)が代表の司法書士事務所。
【保有資格】
司法書士登録証

会社法人登記(商業登記)の

ご相談・ご依頼はこちら
お問い合わせ LINE

ご相談・お問い合わせはこちらから