医療法人

医療法人の登記を忘れていませんか?定期的に必要となる2つの登記手続

医療法人の登記

医療法人を運営していると、日々の診療や経営のことで手一杯になりがちです。
しかし、登記の手続きは、法人としての社会的な信用や法的な義務を果たすうえで、欠かすことができません。

とくに医療法人には、「定期的に行うべき登記」が2種類あります。
怠ると、20万円以下の過料が科される可能性もあるため、注意が必要です。
今回は、医療法人に求められる登記義務とそのポイントについて、司法書士の視点から解説いたします。

理事長・理事など「役員の変更登記」は2年ごとに

医療法人の役員登記でまず押さえておきたいのが、役員の任期に関するルールです。
かつては任期の定めがない法人も多く存在していましたが、平成19年の医療法改正により、医療法人の役員には「任期は2年以内」という制限が設けられました。

つまり…

・2年に1度は必ず役員の改選が必要
・たとえ再任で同じ理事長が続投していても、変更登記は必須
・登記を怠ると、20万円以下の過料に処される可能性あり

この改正以降、いわゆる“自動的に職務を続ける”といった従来の解釈は通用しません。
形式的な再任であっても、社員総会や理事会での選任決議 → 登記申請という手続きを経る必要があります。

「資産の総額の変更登記」は毎年必要

医療法人が毎年必ず行わなければならない登記のもうひとつが、資産の総額の変更登記です。
これは、事業年度末日の時点での純資産額(=資産から負債を差し引いた額)を登記するもので、法人の財務状況を対外的に明示する役割を担っています。

実務のポイント
・毎年、決算終了後に登記申請が必要
・金額が変動しない年でも、「変更なし」では済まされない
・数年分まとめて登記することは原則不可
・未登記の場合も、20万円以下の過料対象となる

医療法人の中には、これを失念して長年登記していないケースも散見されます。
しかし、定期的に行うことが義務付けられている以上、「忘れていた」では済まされません。

登記漏れのリスクと、実務上の注意点

登記漏れによる不利益とは?
・行政指導の対象となる
・金融機関や取引先からの信用に影響
・将来のM&aや法人解散時に支障をきたす
・結果的に、不要な費用・時間・手間がかかる

よくある登記漏れのケース
・「再任だから」と登記をスルーしてしまう
・純資産の変更がわずかだったため放置する
・定款変更後に役員任期の見直しをしていない

忘れないために、スケジュール管理を

医療法人にとって、登記は“やるべきこと”の一つに過ぎないかもしれません。
ですが、それを怠ると法的リスクに直結します。

そこでおすすめなのが、毎年の登記予定を経営スケジュールの中に組み込むこと。
とくに次のようなタイミングで司法書士にご相談いただくとスムーズです。

・決算が終わったタイミングで → 資産の総額登記
・任期満了前の数ヶ月 → 役員選任・登記準備


「毎年」「2年ごと」の登記を忘れずに

医療法人に課されている定期的な登記義務は、以下の2つです。

登記の種類 頻度 登記の根拠
役員の変更登記 原則2年に1回 医療法(平成19年改正)
資産の総額の変更登記 毎年 旧来からの義務


手続きのご依頼・ご相談

法人の信頼性と透明性を保つためにも、これらの登記は“形式的”であっても怠らないことが重要です。
登記の準備や手続きに不安がある方は、ぜひ司法書士にご相談ください。
医療法人に関する登記手続きのご依頼・ご相談は、司法書士法人永田町事務所までお問い合わせください。



本記事の著者・編集者

司法書士法人永田町事務所

商業登記全般・組織再編・ファンド組成・債務整理などの業務を幅広く取り扱う、加陽 麻里布(かよう・まりの)が代表の司法書士事務所。
【保有資格】
司法書士登録証

会社法人登記(商業登記)の

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