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医療法人設立の必須要件を解説!医療法人の基礎、設立や認可、持分などについて解説します



医療法人設立の必須要件を解説!医療法人の基礎、設立や認可、持分などについて解説します


医療法人の基本知識

法人は大きく分けて「社団法人」と「財団法人」があります。
社団と財団を簡単に表すのであれば、社団法人とは、その名の通り「人の集まり」であり、財団法人とは、その名の通り「財産の集まり」です。
医療法人も「社団医療法人」と「財団医療法人」が存在しますが、現在は、社団医療法人が主流であり財団医療法人が新たに設立されることは、ほぼありません。
社団医療法人の成立は、複数の人が現金や医療機器などの財産を医療法人となる団体に拠出し、その団体が都道府県知事の許可を受け登記されることにより成立します。

持分の定めのある社団と持分の定めのない社団

社団医療法人の最高法規は「定款」であり、社団医療法人のルールについては、定款にすべてを定めます。
現行の社団法人は、定款の規定中に残余財産の処分方法として「持分の定めのある社団」と「持分の定めのない社団」の2種類存在しますが、平成19年医療法改正によって、持分の定めのある医療法人の新規設立は認められなくなりました。よって新規設立可能な医療法人は「持分の定めのない社団」のみとなります。

医療法人の持分とは

医療法人の持分とは、医療法人の財産権のことをいいます。つまり、持分の定めのある社団(医療法人)は財産権のある社団であり、持分のない社団(医療法人)は、財産権のない医療法人となります。
具体的には、持分の定めのある社団(医療法人)の場合、医療法人設立時に、設立者が100万円を出資して設立した場合、その後その医療法人が解散した場合、医療法人に残った財産は、原則出資者のものとなりますが、持分の定めのない社団(医療法人)の場合は、解散時の財産は出資者のものにはならず「国もしくは他の医療法人」に財産は帰属します。
これは、「買取請求権」の場面でも同じで、持分の定めのある社団(医療法人)で、2人で50パーセントずつ出資した場合、そのうちの1人が途中で脱退する場合、持分買取請求をすることが出来ます。この時、医療法人の財産が2億円あるとしたら1億円を支払わなければなりません。しかし持分の定めのない社団(医療法人)の場合は、1円も支払う必要はありません。ここが大きな違いとなります。

医療法人設立の必須要件は大きく分けて3つ!

医療法人を設立する際、必須の要件は大きく分けて3つあります。
もちろん細かくたくさんの要件がありますが、まずは以下のものを押さえておきましょう。

・人的要件
・資産要件
・その他要件


人的要件

医療法人は、原則社員3名以上、役員として理事3名以上、監事1名以上置くことが必要要件です。
これは医療法第四十六条の二に定めがあり、目的は永続性と非営利性を実現するためとなっています。
医療は人の命に関わることですので、法人を設立したのに都合が悪いからといって急に閉じられては、利用者が大変困惑します。
また、利益を生んで分配することを目的にされては医療が成り立ちませんので、永続性と非営利性はとても大事な項目です。

社員については株式会社でいう株主に近い存在ですが、出資ではありません。社員総会で医療法人の重要な事項を決議する権限を持つ存在で、原則3名以上とされています。
また、役員には理事と監事とがあり、理事は社員が兼任できますが、監査担う監事は理事も職員だけでなく理事の親族なども兼任できません。

資産要件

医療法人は業務遂行にどうしても資産が必要となるため、医療法第四十一条で要件に加えられています。
といっても、それでは資産のある人だけしか設立できなくなってしまうため、基金制度を設けられる決まりになっています。
基金は活動資金の調達手段であり、要件を満たせば拠出者に返還できますが、あくまで非営利性を維持するため法人解散後の残余財産には含まれません。

返還するのも拠出した当時の額が限度となっており、いわゆる出資して儲けるといった形は採れないようになっています。財産は「基本財産」(不動産、運営基金など)と「通常財産」に分けられ、基本財産は定款に記載が必要です。つまり、もし処分する場合には、定款を変更する必要があります。一度拠出すると個人資産に戻すことはほぼ無理です。

その他の要件

前述したもの以外に必要な、土地や建物の賃貸借契約やリース契約などが該当します。
たとえば、病院を作るなら土地や建物が必要ですが、医療法人が所有していることが理想であるとはいえ、賃借になるケースもあります。
契約名義を個人から法人に変更する場合は、10年以上にわたる契約にする縛りがあります。
これも法人の永続性や非営利性を保持するためですが、あらかじめ医療法人化することを所有者から了解を得て、その根拠を資料として添付しなければなりません。
医療機器などはリース契約になることが一般的なので、こちらも同様に、法人が問題なく引き継ぐ必要があります。

まとめ

本日は医療法人設立の必須要件を簡単に解説しました。医療法人設立に関するお問い合わせは永田町司法書士事務所までお問い合わせください。



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