代表者が亡くなった会社の解散・清算手続きについて
会社の解散・清算手続き
相続人は、故人の遺言や預貯金などの個人財産に目が向きがちですが、実は「会社」も重要な確認ポイントとなります。
亡くなった方が生前、会社の代表を務めていたケースにおいて、その後の会社の処理について、解説します。
まずは故人が代表を務める会社の実態を把握する
故人が設立した会社であっても、状況はさまざまです。
・実質的に休眠状態で何年も動いていない会社
・アパート経営などのために法人名義で資産を保有しているケース
・直前まで取引を続けていた事業中の会社
特に多いのは、税務申告などの最低限の対応はしているが、実質的には何年も取引がない「休眠会社」です。
このような会社でも、法的にはきちんとした解散・清算の手続きを取らなければなりません。
相続と会社の処理は別
相続手続きは、あくまで故人の個人資産を対象に行われるものです。
一方で、会社は法人格を持った「別の存在」ですから、会社名義の財産(預金・不動産など)は、相続の対象にはなりません。
しかし、故人がその会社の「株主」だった場合は話が変わります。
株式自体は相続財産となるため、遺産分割協議の対象になります。そして、相続人が新たに株主として登記手続きを行い、代表者を選任することで、初めて会社の意思決定が可能となります。
解散・清算には具体的な登記手続きが必要
会社をそのまま存続させるつもりがなければ、会社の「解散」→「清算」の流れに沿って手続きを進める必要があります。
主な流れとしては、
2.株主総会を開催して会社の解散を決議
3.解散登記・清算人の選任登記
4.官報公告(債権者保護手続き)
5.精算処理(資産の処分、負債の返済など)
6.清算結了登記
この一連の手続きには、法務局だけでなく税務署への届出や、銀行手続き、過去帳簿の整理なども伴うため、相続人が直接対応するには負担が大きいのが実情です。
会社名義の預金口座は「相続では解約できない」
多くの方が誤解されているのが「会社名義の預金も相続で処理できるのでは?」という点です。
たとえば、口座名義が「株式会社○○ 代表取締役△△」となっている場合、その代表者が死亡していても、口座は会社のものであり、相続の手続きでは動かせません。
新たに代表取締役または清算人として登記された人が、会社の資格で手続きを行う必要があります。
相続と会社の処理を「一括で」専門家に依頼するのがおすすめ
相続と会社の処理は、一見別々のようでありながら密接に関わっています。実際には、以下のような課題が同時多発的に起こるケースが多いのです。
・株主構成が不明で会社の意思決定ができない
・会社名義の資産が処理できず、相続全体がストップしてしまう
・銀行口座が凍結されたままになっている
こうしたトラブルを避けるためには、司法書士・税理士などの専門家が相続と法人の両面から手続きを総合的に見ていく必要があります。
相続開始後、会社のことが気になる場合は、なるべく早い段階でご相談いただくことをおすすめいたします。
手続きのご依頼・ご相談
相続が発生した場合に、亡くなった方が会社の代表者をしていたケースにおいて、会社を解散・清算する手続きについて、解説しました。
本コラムをまとめますと、
・相続と会社の解散は手続き上は別だが、並行処理が必要
・株主の特定や代表者変更登記を経ないと、会社の資産は動かせない
・個人の相続と法人の清算は専門家と一緒に一括対応がベスト
相続登記、会社法人登記(商業登記)に関するご依頼・ご相談は、司法書士法人永田町事務所までお問い合わせください。