事業年度 / 法人手続

短縮事業年度の設定と定款変更について

事業年度変更

取引先や親会社の決算期に合わせるため、または税務・会計上のメリットを享受するためなどを理由に事業年度変更を検討する際の注意点について解説します。
本コラムにおいては、事業年度変更に伴う短縮事業年度の設定や、定款変更の実務について解説します。

事業年度変更の概要(短縮事業年度)

事業年度を変更する場合、通常の事業年度(例:10月1日—9月30日)から新しい事業年度(例:4月1日—3月31日)への移行期間を設けることが必要です。この移行期間を短縮事業年度として設定します。
短縮事業年度の設定は、以下の手続きを伴います。

1.株主総会で定款を変更する
2.税務署などへの届出
3.事業年度変更により役員任期に影響を与える場合は、必要に応じて登記申請をする

短縮事業年度の設定例

2024年12月の定時株主総会で事業年度変更
変更前:毎年10月1日から翌年9月30日まで
変更後:毎年4月1日から翌年3月31日まで

この場合、以下のように短縮事業年度を設定します。

変更前の事業年度:2024年10月1日—2025年9月30日
短縮事業年度:2024年10月1日—2025年3月31日(6カ月間)
変更後の事業年度:2025年4月1日—2026年3月31日


定款の変更方法

事業年度を変更する場合、定款に記載された事業年度条項を改定し、株主総会の特別決議で承認を得る必要があります。
以下は、変更後の定款と附則の記載例です。

定款記載例

第○条(事業年度)
当会社の事業年度は、毎年4月1日から翌年3月31日までとする。

附則
第〇条(事業年度変更にかかる経過措置)
第〇条(事業年度)の規定にかかわらず、第●期事業年度は2024年10月1日から2025年3月31日までとする。
なお、本条は、第●期事業年度終了後、これを削除する。


実務上の注意点

事業年度変更に伴い役員任期に影響を与え重任登記手続きが必要な場合は、登記申請を行います。
また、事業年度変更後、税務署や地方税事務所へ変更届を提出する必要があります。特に、短縮事業年度分の法人税申告期限を確認しましょう。

手続きのご依頼・ご相談

本日は、短縮事業年度の設定と定款変更について解説しました。
会社法人登記(商業登記)に関するご依頼・ご相談は、司法書士法人永田町事務所までお問い合わせください。



本記事の著者・編集者

司法書士法人永田町事務所

商業登記全般・組織再編・ファンド組成・債務整理などの業務を幅広く取り扱う、加陽 麻里布(かよう・まりの)が代表の司法書士事務所。
【保有資格】
司法書士登録証

会社法人登記(商業登記)の

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