増資

法人口座のない株式会社は募集株式発行(増資)手続をすることができるのか

法人口座のない株式会社は募集株式を発行(増資)できる?



法人口座は、会社の設立登記をしたあとでなければ開設することができません。
もし、会社を設立したあと、まだ法人口座を持っていない段階で増資を行いたい場合には、どうすればいいのでしょうか。
このコラムでは、法人口座のない株式会社が募集株式を発行(増資)できるかについて、簡単に解説していきます。

募集株式の発行と銀行口座

募集株式を発行する際は、株式会社が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの募集株式の払込金額の全額を払い込まなければなりません(会社法208条1項)。
払込み先は、当該株式会社名義の銀行等の口座であることが一般的です。法律上、払込み先にとくに制限があるわけではないので、「代表取締役個人の銀行口座」に払い込みを行えば、法人口座がなくても増資できるように思えますが、実務上、払込み先は株式会社名義の銀行等の口座でないと、増資登記が困難になるケースが多いです。
管轄登記所に要相談ではありますが、法人口座を持っていない株式会社は、金銭出資による募集株式の発行による増資を行うことができないのが原則です。

法人口座のない会社が増資を行う方法

法人口座がない場合、基本的に金銭出資による増資を行うことはできません。
一方で、法人口座がなければ必ずしも増資ができないわけではなく、たとえば、剰余金を資本金に組み入れる方法、もしくは出資する金額を会社に貸し付けし、それに振り替えて相当額の株式発行を行う方法(現物出資型DES(デット・エクイティ・スワップ))などで増資を行うことも可能です。
この場合、貸付に関する金銭消費貸借契約書や、必要に応じて利益相反行為の承認に関する株主総会(取締役会)議事録を作成しておくと、あとあとトラブルになるのを防ぐことができます。

手続きのご依頼・ご相談

法人口座のない株式会社は、基本的に金銭出資による増資を行うことはできません。
しかし、現物出資型DESなどの方法で、実質的に増資を行うことは可能です。その他にも増資を行う方法はいくつか考えられます。
会社法人登記(商業登記)に関するご依頼・ご相談は司法書士法人永田町事務所までお問い合わせください。



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