登記申請手続(各種)

単元株式の導入と手続きの流れをわかりやすく開設

単元株式の導入と手続きの流れをわかりやすく開設


単元株制度のメリットや設定手続きの流れ

少数株主の権利を制限し、かつ株主管理コストを抑えることができる単元株制度ですが、投資家からすると、株式を購入する際のコストがよりかかるようになるため、投資に慎重になってしまうなどのデメリットがあります。
このコラムでは、単元株制度のメリットや設定できる範囲、手続きの流れなどについてわかりやすく解説していきます。

単元株制度とは

単元株制度とは、一定の数の株式を「一単元」の株式だと定款で定め、株主総会における議決権の行使に際に、一単元に満たない株式には議決権を認めないこととする会社法上の制度です(会社法188条1項、189条1項)。

単元株導入のメリット

単元株の主なメリットは、次の2つです。

・株式分割等で株式を細分化する場合や少数株主が多くなった場合に、少数株主の権利を制限したり、株主の管理コストを抑えることができる
・1株の価値を細分化した状態で少数株主の権利を制限できる



たとえば、議決権のない単元未満株主に対しては、株主総会の招集通知を発送する必要がないので、発送にかかる費用を抑えることができます。また、単元未満株主は、株主総会に出席する権利も質問する権利も無いため、株主総会の出席者の管理や、遅延目的で質問を繰り返すような行為を防ぐこともできるしょう。
また、単元未満株式でも、議決権がないだけで配当を受け取る権利はあるので(会社法189条2項6号、会社法施行規則35条)、議決権にこだわらない出資者であれば、広く出資を募ることが可能となります。

単元株導入における手続の流れ

単元株を導入する場合、その旨を定款に定める必要がありますが、この場合、原則として株主総会の特別決議が必要となります。
一方で、投資家が出資しやすくなるように1株あたりの価値を下げる株式分割を行ったうえで、併せて単元株を導入する場合もあるでしょう。
このように、株式分割と同時に行う単元株の導入であり、かつ定款変更の前後において各株主の議決権数が減少しない場合(※)には、取締役会の決議で単元株を設定することも可能です。

※ イに掲げる数がロに掲げる数を下回るものでないこと(会社法191条)。
イ 当該定款の変更後において各株主がそれぞれ有する株式の数を単元株式数で除して得た数
ロ 当該定款の変更前において各株主がそれぞれ有する株式の数(単元株式数を定めている場合にあっては、当該株式の数を単元株式数で除して得た数)

単元株式数の登記手続

単元株式数は登記事項ですので、単元株を設定、変更または廃止をした場合は、効力発生日から2週間以内に管轄法務局に登記申請をする必要があります。

登記必要書類(株主総会の決議による場合)

①株主総会議事録
②種類株主総会議事録(ある種類株主に損害を及ぼすおそれがある場合)
③株主リスト

登記必要書類(取締役の決定・取締役会の決議による場合)

①取締役会議事録(又は取締役決定書)
②種類株主総会議事録(ある種類株主に損害を及ぼすおそれがある場合)

登録免許税は、設定・変更・廃止いずれも、申請1件につき3万円となります(登録免許税法別表第1第24号参照)。

手続きのご依頼・ご相談

単元株とは、一定の数の株式を「一単元」と定め、一単元に満たない株式には株主総会における議決権を認めないこととする制度です。
単元株導入を導入するには、原則として株主総会の特別決議が必要となりますが、株式分割と一緒に行う場合には、取締役会の決議で単元株を設定できるケースもあります。

単元株の導入、会社法人登記(商業登記)に関するご依頼・ご相談は司法書士法人永田町事務所までお問い合わせください。



本記事の著者・編集者

司法書士法人永田町事務所

商業登記全般・組織再編・ファンド組成・債務整理などの業務を幅広く取り扱う、加陽 麻里布(かよう・まりの)が代表の司法書士事務所。
【保有資格】
司法書士登録証

会社法人登記(商業登記)の

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