株式併合で決定すべき事項と反対株主の株式買取請求権のための通知は株主総会招集通知に記載することでこれに替えることが可能
株式併合での通知または公告とは?
株式併合とは
株式の併合とは、複数の株式を合わせて、発行済株式を減少させる手続きを指します。
株式併合によって株主の保有資産は変わりませんが、保有する株式が減って単元未満株となり株主としての権利を受けられないうえに、自由に売買できなくなるという株主のにとってのデメリットがあります。
今回は、株式併合の際に株主の権利を守るために必要な手続きを解説していきます。
株式併合の決定
株式併合は株主総会の特別決議によって決定しなければなりません。
この株主総会特別決議は定款の変更や株式併合など会社の根幹にかかわる重要な事項で行われる決議方法であり、株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2以上にに当たる多数をもって行われなければなりません(会社法第309条2項)。
決議事項は以下の通りです。
②株式併合の効力発生日
③併合する株式の種類
④効力発生日における発行可能株式総数
株主等への通知又は公告
株式会社は株式併合の効力発生日に2週間前までに、株主及び登録株式質権者に対して、株式の併合に関する事項を通知し、又は公告しなければなりません(会社法181条1項、2項)。
ただし、株式の併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じる場合、は反対株主は端数となる株式の全部について株式買取請求をすることができるので、株主等に対する通知または公告の期間は「2週間」よりも長くなり「20日」となります。(会社法182条の4第3項)
ここで注意すべき点は、株式の数に端数が生じない場合でも単元株式数の定めがない場合は株式買取請求権が生じ、効力発生日の20日前までの株主に対する通知又は公告が必要となります。
通知又は公告とは具体的に何を指すのか?
すべての株主及び登録株式質権者に対して個別に通知するか若しくは会社が定めた公告方法(官報や日刊紙、電子公告する方法)で公告するかいずれかでありますが、株式併合における会社法181条の通知については、株主総会の招集通知に記載して通知することで十分です。
この場合、効力発生日の2週間前、会社法182条の4第3項の場合20日前に株主総会招集通知を出す必要があります。
手続きのご依頼・ご相談
本日は株式併合の決議事項と、株主等への通知又は公告について解説しました。
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