本店移転 / 登記申請手続(各種)

登記した本店のビル名が変更になった場合の登記手続きについて解説

ビル名が変更になった場合の登記手続きについて解説


本店所在場所の登記

会社本店所在地を定款に記載しなければなりません。
また、会社は本店の所在場所を登記簿に記載する必要があります。

会社法第27条
株式会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
一  目的
二  商号
三  本店の所在地
四  設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
五  発起人の氏名又は名称及び住所


会社法第911条
株式会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる日のいずれか遅い日から2週間以内にしなければならない。
一 第46条第1項の規定による調査が終了した日(設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合にあっては、設立時代表執行役が同条第三項の規定による通知を受けた日)
二 発起人が定めた日
3第1項の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。
三 本店及び支店の所在場所


本店の記載方法(定款)

会社は会社の定款において、本店の所在地を、以下の記載のように登記することができます。

(本店の所在地)
第3条 当会社は、本店を東京都千代田区に置く。
(本店の所在地)
第3条 当会社は、本店を東京都千代田区永田町一丁目8番10号に置く。
(本店の所在地)
第3条 当会社は、本店を東京都千代田区永田町一丁目8番10号○○マンション152号に置く。



定款には本店所在地(最小行政区画)の記載まで記載しますが、登記簿には本店所在場所(具体的な住所)の記載が必要です。
ただし、本店所在場所は、「丁目・番・号」以降のビル名・マンション名あるいは部屋番号は省略することが可能です。

ビル名が変更になった場合の登記手続き

よく問題となるのが、ビル名まで記載して登記している場合です。
このような場合に、ビル名が変更になった場合はどうなるのでしょうか?
結論は、本店変更の登記をしなければなりません(移転の登記ではありません)。

一般的な管轄内本店移転手続きであれば、取締役会設置会社の場合は取締役会の決定が必要となります。
しかし、ビル名の変更の登記の場合は、取締役会の決議は不要です。
なぜなら、ビル名の変更は会社の決定によるものではないからです。
しかし、この場合における注意点としては、ビル名が変更となった正確な日を特定しなければならないということです。
ビル名変更の日が不明の場合は、登記官の判断によっても対応は異なるので、管轄内の法務局にお問い合わせいただくか、司法書士にご相談ください。

ビル名の変更登記の登録免許税は金3万円となります。添付書面は、司法書士に依頼する際は委任状のみとなります。
ビル名の変更は、会社の判断によって回避することはできない事項です。しかし、ビル名が変わってしまうと、その変更だけのために3万円(司法書士に依頼する場合はプラス依頼料)が発生しますのではじめからビル名を登記しないという選択肢もありかと思います。
なお、代表者の住所も本店と同様にビル名まで登記されている場合、代表者の住所変更登記も申請します。その場合は、1万円(資本金が1億円を超える場合、3万円)の登録免許税がかかります。
ビル名の変更などが特になく、気分でビル名の記載を削除したい場合も取扱いは上記と同じになります。またその逆でビル名の記載をしたくなった場合も同じとなります。

手続きのご依頼・ご相談

本日はビル名に変更があった場合の登記手続きについて解説しました。
会社法人登記手続きについてのご依頼・ご相談は司法書士法人永田町事務所までお問い合わせください。



本記事の著者・編集者

司法書士法人永田町事務所

債務整理・商業登記全般・組織再編・ファンド組成などの業務等を幅広く取り扱う、加陽 麻里布(かよう・まりの)が代表の司法書士事務所。
【保有資格】
司法書士登録証

会社法人登記(商業登記)の

ご相談・ご依頼はこちら
お問い合わせ LINE

ご相談・お問い合わせはこちらから