登記申請手続(各種)

代表取締役を2名以上(複数)置く場合の注意点や定款記載例を解説

代表取締役を2名以上(複数)置く場合の注意点や定款記載例を解説


2名以上(複数)の代表取締役

株式会社においては代表取締役が1名通常は選任されますが、2名以上の代表取締役を選任することも可能です。法律では最低でも1名の代表取締役が必要とされており、取締役が1名しかいない場合には、その取締役が自動的に代表取締役となります。
代表取締役を2名以上とする場合において定款を変更する必要がある場合があります。

定款変更の必要がある場合

例えば、現在の定款の記載が、下記記載だった場合は定款変更が必要となります。

(代表取締役)
第●条 取締役が2名以上ある場合は、そのうち1名を代表取締役とし株主総会の決議によってこれを定める。

(※取締役会設置会社の場合は「株主総会」の記載を「取締役会」と読み替えるものとする)


上記記載は、代表取締役を「1名」としているため1名以上の代表取締役を置くことが出来ません。
2名以上(複数)の代表取締役を置くために上記定款は、下記のように変更します。

(社長及び代表取締役)
第23条 取締役が2名以上ある場合は、株主総会の決議によって代表取締役を定める。
2.代表取締役が2名以上ある場合は、代表取締役の互選によって、1名を社長と定め、代表取締役が1名の場合は、当該代表取締役を社長とする。
3.社長は、会社の業務を執行する。

(※取締役会設置会社の場合は「株主総会」の記載を「取締役会」と読み替えるものとする)


その他、「取締役が2名以上ある場合は、1名以上(又は若干名若しくは2名以下)を代表取締役とし株主総会の決議によってこれを定める。」と変更する形でも良いでしょう。

代表取締役が2名以上(複数)になる場合「社長」などの肩書を付与

このような形で、代表取締役が2名以上(複数)になる場合は、内部的な序列として「会長」「社長」「常務」「専務」などの肩書をつけることを検討していく必要があるといえます。
これらの肩書は、内部的な組織上の役割を示すものでこれらの肩書は会社の登記情報や登記事項証明書には記載されませんが、会社内の役割分担や意思決定のプロセスを明確にするための措置となります。

代表取締役の印鑑登録

商業登記法によれば、登記の申請書に押印すべき者である代表取締役は、あらかじめその印鑑を登記所に提出することを義務付けています。登記所に印鑑を届け出ることで、印鑑カードの交付をうけて、法人印鑑証明書の交付を受けることができます。この印鑑届出は、代表取締役の中から1名登録をする又は2名どちらも登録するかいずれも可能です。
ただし、同じ陰影を登録することは出来ませんので、異なる印鑑を用意してそれぞれで登録をすることになります。
また、複数の代表取締役のうちの1名だけ印鑑登録をしたとしても、後日他の代表取締役が印鑑の届出を行うことが出来る点についてはご注意ください。印鑑届出は株主総会や取締役会の決議不要ですので、会社に知られず届出することが可能です。

2名以上(複数)の代表取締役を置くメリット・デメリット

2名以上(複数)の代表取締役を置くメリットとしては、意思決定の迅速化や業務の分担などが挙げられます。
一方で、デメリットとしては、意見の対立や契約権限の分散などのリスクも存在します。企業の特性や状況に応じて、適切な組織構造を検討し、最適な決定を行うことが重要です。

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本日は、代表取締役を2名以上(複数)置く場合の注意点や定款記載例を解説しました。
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