株式

子会社の株式譲渡は事業譲渡と同等の性質を有するため株主総会特別決議を要します(一定の条件を満たす場合のみ)

子会社の株式を譲渡するには


子会社の株式譲渡

平成26年改正前までは、子会社の株式は自由に譲渡することができました。
しかし、改正後は、一定の子会社株式の譲渡に関しては、親会社側で株主総会の特別決議が必要になります(会社法467条1項2号の2)。
一定の条件における子会社の株式を譲渡するということは、事業に対する支配を失うということなので、実質的には事業譲渡と同じ効果が生じます。
したがって、事業譲渡と同様の性質を有することから、株主総会の特別決議によって株主の承認を得なければなりません。一定の条件とは次の通りです。

①譲渡する株式等の帳簿価格が、当該株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の20%を超える場合
②当該株式会社が効力発生日において子会社の議決権の総数の過半数の議決権を保有しない場合(孫会社となる場合や譲渡前からその子会社につき過半数の議決権を保有していない場合も含む)



また、以下の点に関しても事業譲渡と同様です。

①反対株主の株式買取請求制度
②略式事業譲渡等の規律が適用される
③特別清算手続中、再生手続中、更正手続中に行うために裁判所の許可が必要



株主総会は効力発生日の前日までに行い、特別決議によって承諾を得なければなりません。
特別決議は、議決権を行使できる株主の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)の株主が出席し、出席した株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を要します(会社法309条2項)。
株主総会議事録には、当該株式の譲渡に関しての決議が行われた旨を記載し、株主総会の承認に関し、株主総会の特別決議の要件を満たしている旨を記載します。

このように、子会社の株式譲渡は、事業譲渡と同等の性質を有することから一定条件を満たす場合は、株主総会特別決議によって手続きを行わなければならないので注意が必要です。
しかし、財務状況を立て直したり、不採算事業を切り離して主力事業に注力するためなど、子会社に株式譲渡には多くのメリットがあります。

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本日は子会社の株式を譲渡について解説しました。
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