株式

株券を喪失した場合の株式譲渡手続きと株券喪失登録制度を解説

株券を喪失したら株式譲渡はできる?


株券と株式譲渡

法改正により、2006年5月からは原則として株券を発行する必要がなくなり、2009年1月からは上場企業においては株券の電子化がなされたので、この時期以降に株式取引をされている方は株券の存在すら知らない方も多くいらっしゃいます。
一方で、それ以前から取引をしていて株券を自宅で保管している方や非上場企業の株券を持っている方もいます。そうした方が株券を紛失してしまった場合や盗まれるなどして喪失したら株式譲渡はできるのでしょうか。

株券が発行されている場合には、株券を取引相手に渡さない限り譲渡ができません。となると、見つからない以上、株式を譲渡できなくなります。
そこで、喪失時に一定の手続きをすることで、株券の再発行が受けられる制度が設けられています。

株券喪失登録制度

株券喪失登録制度は2003年4月1日から施行されている制度です。
それまでは、株券を喪失すると簡易裁判所に公示催告手続というの申し立てを行い、除権判決をもらって、株式を発行している企業に対して株券の再発行を請求しなければなりませんでした。
判決をもらうという面倒な手続きを簡素化すべく、株券喪失登録制度が設けられました。
この制度に基づき、まず喪失した株式を発行している企業に対して、喪失登録請求を行い、株券喪失登録簿へ記載をしてもらいます。
株券喪失登録日の翌日から1年を経過した日に、その株券は無効となり、株券の再発行が請求できるという制度です。
再発行できるまでに1年かかるので、それまでは譲渡はできません。
また、もし喪失した株券を取得したという人が株券喪失登録の抹消申請を行い、登録が抹消されてしまうと再発行できません。

善意取得されないために

株式譲渡をするつもりがないから、株券を喪失しても、何の手続きもしなくて良いというのは間違いです。
なぜなら、もし盗まれるなどした株券がどこかで売買されてしまった場合に、盗まれたものだと知らない人や取引相手が真の所有者だと知らないことに過失がない人が購入してしまった場合、その人に株を取られてしまうためです。

上場企業の株券を喪失した場合

上場企業の場合、株券の電子化が実施され、株券は2009年から廃止されています。
そのため、かつて発行されていた株券を自宅で保管していて喪失したとしても、権利は保全されており、通常の手続きで譲渡が可能です。
株券を喪失した人が特別口座の名義人であれば、問題なく権利は保全されていますので、その証券会社を通じて、市場での株取引ができます。

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本日は株券を喪失した場合の株式の譲渡について解説しました。
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