相続、遺産承継業務

2024年4月1日から相続登記義務化!相続登記に関する必要な手続き及び費用について

2024年4月1日から相続登記義務化!相続登記に関する必要な手続き及び費用について


相続登記義務化、未了は過料の対象に

登記とは、一定の事項を広く公示するための制度であり、登記をすることによって、不動産に関する権利を第三者に対抗することができる(民法177条)。不動産を相続した場合、法定相続分は登記無くして第三者にも対抗できるとされているが、遺産相続などによって発生した法定相続分以外の持分については、登記無くし第三者に対抗することができないとされている。したがって、不動産を相続した後は、必ず所有権を自己名義へと移転する登記を申請しなければならない。また、相続による所有権移転登記は、2024年4月1日から義務化され、相続の開始及び所有権の取得を知った時から3年以内に所有権登記名義人の変更を登記しなければならない(改正不動産登記法76条の2第1項)。義務化されるということは、正当な理由なく相続登記を行わなかった場合は制裁を受けることになり、過料を支払わなければならなくなってしまう。ゆえに、相続をしたら必ず定められた期間内に登記をしなければならない。それでは、相続登記に関する必要な手続き及び費用とはいかなるものであるのか。

相続登記手続きにあたって

まず、相続人全員による遺産分割協議によって、一つの不動産を複数の相続人で相続し共有する場合であればそれぞれの持分を決定し、また、不動産が複数あれば誰がどの不動産を相続するか決定しなければならない。協議を行う前に登記し、のちに更正や抹消の登記を申請することも可能であるが、再び申請手続きをして費用を負担しなければなら区なってしまう。そのため、相続人の範囲や各相続人が相続する持分を明確にしておかなければならない。
そして、新たに所有権名義人となるものが申請人となって、法務局に登記の申請をしなければならない。原則登記をするには、所有権名義人が義務者となり、新たな所有権名義人が権利者となって共同で申請しなければならない。しかし、相続・遺贈によって、相続人が新たな登記名義人となる場合は、単独で申請することができる(不動産登記法63条2項3項)。また、一つの不動産に対して共同相続人が複数名いる場合は全員が申請人となることもできるが、一人の相続人が代表し申請人となることもできる。しかし、自己の持分のみを単独で申請することはできず、一人の相続人が申請人となる場合であっても、共有者全員の名義で登記しなければならない。したがって、申請人となるものは、法務局へ申請するために必要な書類の全てを揃えなければならない。

相続登記必要書類

登記をするために必要な書類のことを添付情報という。相続登記をする上で、まず、必要となるのが「登記原因証明情報」である。相続登記における登記原因証明情報は公文書でなければならない。なぜなら、被相続人の死亡の真実を証明しなければならず、相続人が誰であるのか、また、相続分の確定を明確にしなければならないからである。ゆえに、戸籍謄本などを要することとなる。戸籍謄本を発行するには450円、除籍謄本や、改正原戸籍は1通750円となる。除籍謄本とは、その戸籍にいる者の全員が、婚姻・死亡などの理由によって抜けている事が記載されている謄本である。
また改正原戸籍とは、法律の改正によって、謄本が作り変えられ、閉じられてしまっている戸籍の事をいう。また、遺産分割によって相続分を決定した場合であれば遺産分割協議書に申請人(その不動産を取得する者)以外の相続人全員が実印で押印し、それぞれの印鑑証明書を添付し登記原因証明情報の一部としなければならない。印鑑証明書の発行手数料は、役所であれば300円、コンビニであれば200円前後となる。万が一相続人の一人が印鑑証明書の提供を拒んだ場合、遺産分割協議書の真否確認の訴えを提起し、その判決確定を持って印鑑証明書に変えなければならない。次に必要となるのは、新たな登記名義人となる者の住民票である。不動産を取得したものは固定資産税を払わなければならない。ゆえに、現在住んでいる住所を明らかにする必要がある。住民票の発行手数料は、一通300円前後となる。さらに、相続登記を司法書士などの代理人に依頼する場合は代理権限証明情報、いわゆる委任状が必要となる。代理人に依頼する場合、その報酬が別途必要となる。

相続登記申請手数料

登記申請は、収入印紙を貼って申請するか、インターネットによって電子納付する方法で支払うことができる。金額については、その不動産の固定資産税の評価額の0.4%が登録免許税となり、その納付が必要となる。したがって、評価額が大きいほど、相続登記にかかる費用も増える事になる。
最後に、登記が終了した後、正確な情報が登記簿に記載されているかを確認する必要があるので、登記簿謄本を取得しなければならない。ここでの費用は1通450円から600円となる。

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本日は相続登記手続きの基本について解説しました。
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