新株予約権(SO) / 登記申請手続(各種)

従業員の退職と新株予約権の消滅について解説!退職しても消滅しないケースとは?

従業員の退職と新株予約権の消滅について解説!退職しても消滅しないケースとは?


従業員に新株予約権を付与する目的

近年、従業員が仕事へのモチベーションを高める手段として、ストックオプション制度を導入するケースも増えてきました。
従業員に新株予約権を付与するのは、自分たちが頑張ることで株価が上がった場合に、新株予約権を行使することであらかじめ定められた安い価格で購入でき、値上がり益を得るというインセンティブにつながるためです。
インセンティブとして機能するには、従業員がその会社で働き続けていることが大切です。
そのため、従業員に新株予約権を付与するにあたっては、新株予約権の行使条件として「会社の従業員であること」を定めている会社が多く見られます。

退職しても新株予約権が消滅しないケース

ストックオプション制度において、新株予約権の行使条件には「行使時点において従業員であること」とあり、取得条項に「新株予約権の行使ができなくなった場合には、当社は新株予約権を無償で所得することができる」とあれば、退職した従業員の新株予約権は会社に取得されることになります。そのため、退職時点では新株予約権は消滅しません。

退職により新株予約権が消滅するケース

新株予約権の行使条件には「行使時点において従業員であること」とあっても、取得条項に特段の定めがないケースも少なくありません。
この場合、従業員が退職して権利行使をできなくなった時点で、新株予約権は消滅するものとされています。
もっとも、消滅したため行使されないので大丈夫と放置していてはいけません。なぜなら、新株予約権の消滅は、登記事項に該当するからです。
退職し消滅した場合はその日から2週間以内に、変更登記をする必要があります。

もっとも近年は、会社でも思いもよらず、突然退職してしまう従業員も増えています。
業績が良くても、会社に貢献して長く働いてくれそうに見えても、退職する方は少なくありません。
退職者が多く、退職の都度、登記をしなくてはならないとなると、手間もかかりますし、その都度登記手数料を払わなくてはなりません。
そのため、消滅条項を設け、退職した従業員の新株予約権は会社が取得するようにしておくのがおすすめです。
そのうえで、一定期間ごとにまとめて、新株予約権を消滅させたうえで登記をする手間もコストも抑えることができます。

会社が取得した新株予約権を消滅させる方法

取得条項がある場合、会社が取得した新株予約権を消滅させるには、取締役会決議が必要です。
取得条項がない場合には、退職従業員から保有する新株予約権の全部を放棄する旨の放棄書を退職時に取り付けておき、退職日から2週間内に変更登記が必要になります。

手続きのご依頼・ご相談

本日は従業員の退職と新株予約権の消滅について解説しました。
新株予約権に関するお手続きは司法書士法人永田町事務所までお問い合わせください。


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