株式交換 / 組織再編

親子逆転の株式交換とその代表例、株式交換に関する注意点を解説



親子逆転の株式交換


親会社と子会社が逆転する株式交換

これまで親会社と子会社の立場が逆転する株式交換は実際に行われてきました。以下代表例です。

「ウェルネット株式会社と株式会社一たかはし」(平成21年6月)
「株式会社みずほフィナンシャルグループと株式会社みずほホールディングス(現株式会社みずほフィナンシャルストラテジー)」(平成15年3月)
「株式会社ティーアンドシー・ホールディングス(現株式会社T&Cホールディングス)と株式会社トレーダーズ・アンド・カンパニー」(平成13年9月)



本来、子会社による親会社株式の取得は原則禁止されています(会社法135条1項)が、例外的に以下の場合は取得が認められています。

・株式交換、株式移転、会社の分割、合併または他の会社の事業全部の譲受による時
・株式交換、株式移転、吸収分割、合併により親会社株式を取得する場合
・株式交換、合併、吸収分割の対価として、親会社株式を交付するために、対価として交付すべき当該親会社株式の総数を超えない範囲において当該親会社株式を取得する場合
・会社の権利の実行にあたりその目的を達成するために必要な時


株式交換で100%親子会社関係を作る

株式交換を実施すると、100%親子会社関係を作ることができます。
これを利用し、兄弟会社を親子会社の資本関係に整理することもよく行われ、株式交換は企業の経営を整理したい時によく用いられています。
株式交換は反対株主や所在不明な株主などが保有する株式を含め、すべての株主から強制的に株式を取得し、100%子会社化できるのが一番のメリットです。
株式譲渡と異なり株主側が資金を用意する必要もなく、100%親子会社関係が構築できます。
ただし、株式譲渡のほうが事前検討や手続きが容易で、時間や労力の面では株式交換のほうがコスト高です。
反対株主からの株式買取請求があれば応じる義務があり、実施するには原則として株主総会の特別決議が必要です。

株式交換に関する注意点

まず、株式交換比率の算定ですが、たとえば現親会社株式10株に対して現子会社株式5株が交付された場合、株式交換比率は「現子会社:現親会社 10:5=1:0.5」です。
この算定には、原則売り手と買い手の株価が用いられることから、それぞれの株式価値を算定する必要があります。
またコストアプローチは、純資産ベースで算定する方法で、時価純資産法や帳簿価格で算定した純資産額をもとにする簿価純資産法などがあります。
そして、インカムアプローチは将来性から企業価値を算定する方法で、将来生み出される期待利益をもとに算定するのです。
ほかにも、マーケットアプローチ(市場価値から算定)などがありますが、いずれにしても適正なそれぞれの企業価値を数値化することが重要です。

手続きのご依頼・ご相談

本日は親子逆転の株式交換の例などをご紹介いたしました。
組織再編手続きに関するご相談は司法書士法人永田町事務所までお問い合わせください。


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