株式会社が株券を廃止する時の手続きと登記について解説
株式会社が株券を廃止する時の手続きと登記について
現代の日本は株式を発行しなくても問題ない
かつての日本の株式会社といえば、株式を発行することで資金調達を実施するのが当然の行為であり、株式会社を発行することは当たり前でした。
しかし、近年の日本では取引が電子化されてきていることもあり、さらには2006年5月1日に施行された新会社法によって会社法が改正されたことに伴って、株式会社は株券を発行する必要がなくなりました。
そのため、基本的に会社法が施行されてから設立された株式会社については、基本株券を発行しないことが原則となっています。
株券を発行する必要がないことから、現在のほとんどの株式会社が株券を発行していない会社ということになります。
株式会社が株券を廃止する際の手続方法
そもそも株券というものは、会社にも発行にコストがかかるものですし、株主にとっても株券を失わないように管理しなければならないといった手間がかかってしまいます。
そこで、株券を廃止することで株券の作成などの発行費用が不要になることや管理する手間がかからなくなるので、廃止される会社も少なくありません。
株券を廃止したいという場合は、一定の手続きが必要になります。
もしすでに株券を発行している株式会社が株券を廃止する場合は、どのようにしたら良いのでしょうか。
株主総会の特別決議によって株券を発行しない旨の定款変更を行う必要があります。
さらに、株主総会の特別決議の効力発生日の2週間前までに株券廃止を公告し、かつ株主および登録株式質権者へ個別で通知する必要があります。
また、効力が発生してからは法務局で登記申請を行わなければなりません。
登記申請においては、株券廃止公告を実施したことを証明する書面を添える必要があり、株主総会議事録や株主リスト、変更後の定款、官報等に公告をしたことを証明する書面を添付する必要があります。
株式を発行していない会社はどうしたら良いか
また、株券を発行する会社ではあるものの、株券を実際には発行していないという会社も存在しています。
このように、株券を発行していない会社の場合は、公告あるいは通知のいずれかを実施するのみで問題ありません。
効力発生日から2週間以内に株券を発行する定めを廃止する登記を法務局へ申請していきます。
登記申請の際に必要となる書類は、株主総会議事録や株主リスト、変更後の定款、株式の全部について株券を発行していないことを証明する書面が必要です。
手続きのご依頼・ご相談
本日は株式会社が株券を廃止する時の手続きと登記について解説しました。
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