「宗教法人」の設立要件や登記について解説!単立宗教法人・包括宗教法人・被包括宗教法人の違いなど
「宗教法人」の設立にはどのような要件があるのか?
「宗教法人」とは?
宗教法人法にもとづき法人格を与えられた団体のことを指しており、日本国内には、神社、寺院、教会などさまざまな宗教法人が存在しています。
法人格を得るには、宗教法人法の規定により設立登記をすることが必要となり、そのために規則を作成し所轄庁である都道府県知事の認証を受けることで、憲法で保障される信教の自由に基づく宗教団体は法人格を得ることが出来ます。
宗教法人の種類
この宗教法人には、「単立宗教法人」「被包括宗教法人」「包括宗教法人」などの種類があります。
単立宗教法人
単立宗教法人は、どの宗派・教団にも属さない独立した団体である単立宗教団体が法人化した宗教法人をさします。単立宗教法人は、宗派や教団に属さない独立した宗教法人をさしますので、規模の大小は関係がありません。単立宗教法人の例としては創価学会や靖国神社などがあげられます。これら法人は宗教法人法でいうところの単位宗教法人としての単立宗教法人となります。
包括宗教法人と被包括宗教法人
包括宗教法人は、宗派や教派や教団などといったように寺院や教会などを傘下に持つ宗教法人のことです。
単位宗教法人のうちで包括宗教法人の傘下にある宗教法人については「被包括宗教法人」、包括宗教法人の傘下にないものについては、「単立宗教法人」と呼んでいます。
被包括宗教法人において、包括・被包括関係は登記事項とされていますので、被包括宗教法人の登記記録には「包括団体の名称及び宗教法人非宗教法人の別」として包括宗教法人の名称が記録されます。
なお、包括宗教法人の登記記録にはその旨が記載されないため、登記記録をみただけでは当該宗教法人が包括宗教法人であるのかは判明しません。・
宗教法人の所轄庁について
宗教法人を設立するためには、所轄の都道府県知事、もしくは、文部科学大臣の認証を経たうえで、法人格を取得しなければなりません。
一つの都道府県内に事務所や礼拝施設がある宗教法人は、その所在地の都道府県知事が所轄庁となります。
これらに該当しない宗教法人については、文部科学大臣が所轄庁となります。
宗教法人の設立要件
宗教法人を設立するためには、その宗教団体が既に存在し、活動の実績などがある必要があります。まったく活動実績がない新しい宗教団体の、宗教法人設立は認められません。
宗教法人を設立するためには、少なくとも宗教団体としての3年以上実績が必要です。
そのほかにも、以下の要件を満たす必要があります。
教義が存在しており、日ごろからそれを広げるための活動に取り組んでいなければなりません。
・儀式行事を行う
宗教活動の一環として、日ごろから儀式行事が執り行われていなければなりません。
・信者を教化育成する
教義を広めて信者を導くための活動が行われていることが要件となります。
また、信者名簿も必要です。
・礼拝の施設を備える
礼拝が可能な土地や建物を所有しており、宗教法人を設立した後で、法人の所有が可能であることが要件となります。
・責任役員の配置
宗教法人法によって、責任役員の配置が義務付けられています。
3人以上の責任役員を配置し、そのうちの1人を代表役員として選任しなければなりません。
宗教法人設立時の必要書類
宗教法人法を設立する際には、宗教団体の規則、役員名簿、宗教施設の配置図、信者名簿などさまざまな書類が必要です。
そのほかに、境内建物や境内地の不動産登記事項証明書、儀式や行事の写真、公益事業に関する書類などの提出も求められます。
手続きのご依頼・ご相談
本日は宗教法人の設立手続きについてご紹介しました。
特殊法人の設立実績を数多く有します。特殊法人に関する登記のご相談は永田町司法書士事務所までお問い合わせください。