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手付金の種類「証約手付」「解約手付」「違約手付」について解説



手付金の種類は?「証約手付」「解約手付」「違約手付」について解説

手付の意味を理解しよう

手付というと、どんなイメージをお持ちですか。
高額な取引を行う際に手付として一部の代金を払う、契約を希望する物件や商品がある場合、ほかの方に取られないよう前払い金を払って押さえておくといった使い方をイメージされるかもしれません。
商慣習上では、そうした使われ方で手付を支払うことが多いですが、法制度上は3つの意味合いがあります。
しっかり理解しておかないと思わぬリスクを負うことや取引の相手方とトラブルになることもあるので注意が必要です。
手付の種類として、証約手付、解約手付、違約手付があります。
それぞれ、どのような意味合いがあり、どのような特徴があるのか、注意点などを確認しておきましょう。

証約手付

証約手付とは、契約が成立した証として、代金支払い義務を負った買主から売主に対して交付される手付金です。
その目的は代金の一部前払いではなく、契約の成立を明確にし、契約の存在を証明するためです。
この点、近年では多くの契約が書面を取り交わして行われます。
契約金額に応じて収入印紙を貼ることや互いに実印を押して印鑑証明書を取り交わすなど、契約したことや契約内容も明確になります。
ですが、本来、契約は書面がなくても成立し、口頭、すなわち口約束でも成立するものです。
古い時代の契約をはじめ、業界や業種、互いの関係によっては、口頭のみで契約が行われることもあることから、契約の意思を明確化するために金銭の支払いが行われていました。
この場合は証約手付としての意味合いが強いです。

解約手付

解約手付とは、買主が売主に対して手付金を払うことで、解約する権利をお互いに留保させるものです。
通常、契約を行うと互いに契約内容に縛られ、一方的な契約の解約は認められなくなります。
ですが、解約手付を取り交わした場合は、手付金を払った買主はもちろん、手付金を受け取った売主も解約することが可能です。
買主が契約をなかったことにしたい場合は、手付金を放棄し、売主の場合は手付金の倍返しによって解約が認められます。
ただし、いつまでも一方的に解約できるとなると、互いの立場が不安定になってしまいます。
そのため、互いに履行に着手するまでの間とされます。
売主が商品や物件の引渡しに着手すれば、手付金を放棄しても解約は認められません。
売主も、買主がローンを組むなどして支払いの準備をした場合には、倍返しても解約できなくなります。

違約手付

違約手付とは、契約の相手方に債務不履行があった場合に、違約金の役割を果たさせる目的で取り交わす手付金です。
買主が支払期日までに代金を支払わないといって契約違反があった場合は、買主が支払った手付金は違約金として売主に没収されます。
一方、売主が引渡し期日までに商品を用意しないなどの契約違反があった場合には、買主から受け取った手付金を返還しなければなりません。

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本日は手付けの種類について解説しました。
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