株主総会ハイブリッド型とは?議事録への記載例などをご紹介
株主総会ハイブリッド型とは?
株主総会ハイブリッド型とは
ハイブリッドとは2つ以上の方式が融合して、相乗効果や機能向上をもたらすスタイルを指します。
株主総会のハイブリッド型とは、物理的に集まって行う従来型のリアル株主総会とインターネット上などで開催されるバーチャル株主総会を融合させるスタイルです。
リアル株主総会を開催する一方で、リアル株主総会の場にはいない株主が、自宅や職場、そのほかの場所から、インターネットなどの手段を用いて参加、出席できる方法です。
ハイブリッド型のバーチャル株主総会には、議決権行使や質問などリアル株主王会に出席しているのと同じような行動ができるハイブリッド出席型と、審議の傍聴やプロセスを確認するだけのハイブリッド参加型の2種類があります。
ハイブリッド型が注目される背景
インターネットを利用したバーチャル株主総会というと、近年のデジタル化の推進や株主のニーズによって需要が高まったと思われるかもしれません。
ですが、株主のニーズやIT技術の進化やネットの浸透が、導入を促進させている直接の背景ではありません。
というのも、株主は高齢者も多く、必ずしもネットやパソコン操作に慣れた人ばかりではないためです。
また、大手企業の株主総会は毎年、一種のお祭り、イベント的な側面も有しており、年に一度、地方から上京して旅行気分で楽しむ方や大勢の株主や企業の取締役がずらりと並ぶ中で自分の意見を言う方、質問をするのを楽しみにしている方もいました。
何より、株主総会に直接出席すると、記念品やお土産をもらえると楽しみにしていた方も数多くいます。
そのため、企業としてもバーチャル株主総会への移行はすんなりとはいかず、株主総会に出席できない株主の議決権行使を書面から、ネットでもできる形式に変えた程度の企業が多いのが実情でした。
コロナ禍で状況が大きく動く
ですが、新型コロナウイルスの感染拡大により、三密の回避が必要になりました。
企業が株主総会を開催して、クラスターでも発生させれば、企業の信用はがた落ちです。
政府が出す緊急事態宣言やまん延防止等重点措置、イベント制限などのルールからしても、現実問題として開催が難しい企業も多くあります。
大勢の株主が一度に同じ場所に集まれない、都道府県をまたぐ移動制限などにより参加ができないケースをはじめ、感染リスクを抑えて外出や大勢が集まる場所へ行くことを控えている株主もいるからです。
そこで、リアルな株主総会を開きつつ、遠方の株主や希望する株主はバーチャル株主総会に参加、出席してもらう方式を採る企業が増えてきました。
コロナ禍で初の緊急事態宣言が解除されたばかりであった、2020年6月の株主総会においては、上場企業のうちハイブリッド出席型は9社、ハイブリッド参加型は113社と、多くの企業が採用しました。
株主総会議事録への記載方法
ハイブリッド型株主総会を開催した場合の議事録への記載方法は次のとおりです。
監査役D
出席役員の箇所に、Web会議システムを用いた役員であることが分かるように記載。その他の記載は、議事の経過にWEB会議システムは支障なく稼働している旨を記載するなどする。基本は従来通りとなる。
出席者:議決権を行使することができる株主の総数●名
議決権を行使することができる株主の議決権の数 ●●●個
議決権を行使することができる出席株主数 ●名(委任状・議決権行使書提出者・Web会議システムを通じた出席者を含む)
この議決権の数 ●●●個
出席株主数の記載の横に、Web会議シテウムによる出席者も含んでいることを記載。その他の記載は、議事の経過にWEB会議システムは支障なく稼働している旨を記載するなどする。基本は従来通りとなる。
まとめ
本日はハイブリッド型株主総会について解説いたしました。
株主総会に関するご相談、議事録の作成などについては永田町司法書士事務所までお問い合わせくださいませ。