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成年後見人を選ぶ必要があるとき、家族から選べる?条件?基本事項を解説



成年後見人を選ぶ必要があるとき、家族から選べる?条件?基本事項を解説


親の認知症などが大半

家族の中から成年後見人を選ばなければならなくなるのは、大半が親の認知症などで判断能力が低下する状況です。
理由は、金融機関などが事実を把握するとともに、名義人の口座を凍結してしまうためです。

これはあくまで名義人の貯金など個人の財産や権利を守るためなのですが、一度その状況になれば夫や妻、子であってもお金を引き出すことはできません。
もちろん名義人ではない人がそもそも預貯金を引き出したり不動産などを勝手に売買したりはできませんが、代理で生活費を引き出す必要などは十分に考えられます。

本人名義の財産を管理できる仕組み

そこで、成年後見制度を利用し、本人に代わって本人名義の財産を管理できるような仕組みができました。
認知症をはじめとする知的・精神障害などで判断能力が著しく低下した20歳以上の成年に対し、成年被後見人は本人に代わって財産管理や身の回りの世話ができるようになります。
預貯金や不動産、年金の管理や税金、公共料金の支払いなどを行い、介護や医療契約の締結、入院の手続きや費用の支払いなどを行うのが主な仕事となります。

家族から選べる?

制度には2つあり、本人が十分な判断能力を持つ間に、自分の意思で誰かを後見人に選べれば、「任意後見制度」が利用できます。
この場合、もちろん最も信頼できる家族の中から後見人を選べますし、本人も後見人も納得のいく形になるでしょう。

ところが、それをしないうちに判断能力が著しく低下してしまうと、本人ではなく家庭裁判所が後見人を選ぶことになり、これを「法定後見制度」と言います。
つまり、家族などから自由に選べるのは任意後見制度のみですので、本人の意思がしっかりしている間に納得のいく選任をしておくべきなのです。

原則、成人なら誰でも成年後見人に選べますので、最も信頼できる相手を選びましょう。
該当する家族が存在しない場合は、司法書士や弁護士などの専門家を選ぶこともできます。

家族が成年後見人になれない場合とは

指定したい相手が欠格事由にあたる場合、いかに本人の意思があっても成年後見人に選ぶことはできません。
欠格事由は、以下のとおりです。

・未成年者である
・行方不明である
・過去に家庭裁判所で、成年後見人やそれに類する任を解任されたことがある
・破産開始決定を受けた
・免責許可決定を受けていない
・成年被後見人に対して現在訴訟中であるか過去に訴訟したことがある、またその人の配偶者や親・子


トラブルにしないために

本人にとっても家族にとっても、本人の意思で家族を成年後見人に選ぶのが自然な形と言えるでしょう。
そのためにも、本人があらかじめ成年後見人にしたい人を選び、同意を取ることが一番です。
多くの場合、配偶者や子がなりますが、もし配偶者や子がいてもほかの親族を選びたいなら、安全のためにあらかじめそのことを配偶者や子から同意を取り、「同意書」を作成していることが多いです。

さいごに

本日は、成年後見についての基本的な解説をいたしました。
相続・遺言書作成に関するご相談は永田町司法書士事務所までお問い合わせください。

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