相続、遺産承継業務 / 遺産分割

連絡が取れない相続人がいたら遺産分割はどうなる?その場合の対応



連絡が取れない相続人がいたら遺産分割はどうなる?


全員の合意が必要

亡くなった方が生前に遺言書を残していれば、遺言書通りの分割ができるため、基本的に相続人の合意も不要です。
遺言書がない場合には、法定相続分でわけます。
法定相続分以外の分け方をする場合、又は遺言書がある場合に遺言書通りに分けずに合意によって遺産分割方法を決定する場合は、相続人全員が合意のうえで遺産分割をしなくてはなりません。

そのためには、全相続人を割り出し、全員と連絡を取る必要があります。
長く連絡が取れない相続人がいる、故人に離婚歴があり、認知した子がいるなど、異父、異母の兄弟姉妹がいるものの、どこに住んでいるのかわからない、一度も会ったことがないといったとき、どうすれば良いのでしょうか。

遺産分割協議書がないと何もできない

上記の通り、法定相続分に基づかずに分ける場合において、とりあえず、故人の預金をおろしたい、実家を売却したいと思っても、すべての相続人の実印による署名・押印と印鑑証明書が添付された、遺産分割協議書がないと、金融機関は応じてくれず、登記の移転もできません。
手続き時には故人の出生から死亡までの原戸籍も提出する必要があるので、不明の相続人の存在をごまかすこともできません。
どうしても見つけ出して、連絡を取る必要が出てくるのです。
財産が多いなどで、相続税を納める必要がある場合、原則として亡くなった日の翌日から10ヶ月以内に相続税の申告と納税が必要です。
正当な理由がなく手続きをせずに納税をしないと、無申告加算税などが課されることもあるので注意しなくてはなりません。

戸籍の附票から住所を割り出す

まずは、戸籍の附票を用いて、住所の割り出しを行います。
素人では大変な作業なので通常、司法書士などの専門家に依頼すれば、調査をしてもらえます。
住所を割り出して手紙を出しても音信がない、宛先不明で返送されてきた、その場所にいないと言われたなどで連絡がつかなかったらどうすれば良いのでしょうか。

不在者財産管理人の申し立て

不在者財産管理人とは民法に定められる管理者で、連絡が取れない相続人の代わりに、財産を管理する権限を持つ人です。
誰でも自由に指定できるのではなく、家庭裁判所に選任の申し立てをしなければなりません。
状況により、司法書士や弁護士などの専門家が専任されます。
選任されることで、所在がわかっている相続人とともに遺産分割協議が可能です。

失踪宣告

失踪宣告も民法上の規定に基づく手続きです。
連絡が取れない相続人の生死さえ不明の場合に、家庭裁判所に申し立てられます。
失踪宣告が認められれば、手続き上、その相続人は亡くなったものとして取り扱えます。
しかしそうなるとその不明者の相続人とされる方が手続きを行う必要がでてくるため、いずれにしても複雑化は避けられません。

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さいごに

連絡がとれない相続人についてよくご質問をいただくため基本の対応策をご紹介させていただきました。
相続に関するご相談は永田町司法書士事務所までお問い合わせください。

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