契約書等作成、チェック

【覚書とは?念書との違い】覚書が必要になるのはどんな時?作り方や収入印紙の有無について解説

覚書が必要になるのはどんな時?作り方や収入印紙の有無が知りたい


覚書とは?

覚書(おぼえがき)は、契約書の一つです。
契約書は契約する当事者同士の意思が合致していることを証明する書面ですが、契約は法律行為ですので、言うまでもなく契約書は非常に重要な書類です。
基本的に、売買・交換・贈与・貸借・雇用・請負・委任・寄託などを成立させる時に契約書を締結しますが、それならなぜ覚書が必要になるのでしょうか。
覚書は通常、基本となる契約書がすでに締結されており、それに付随する数項目のみについて簡素に合意内容をまとめた書面になります。
契約書を補完する役割と考えることができますし、契約内容が一部変更するような際に、一から契約書を作り直して締結し直す手間を省くために用いられることも多いです。

念書との違いとは?

覚書と念書(ねんしょ)を間違える人もいますが、念書は覚書とはまったく異なる書面です。
覚書はあくまで当事者同士の合意のもと作成されますが、念書はどちらか一方が相手に対して提出するものです。
多くの場合、なんらかの約束事をした側がその内容を明文化して書面とし、約束した相手に提出します。
後で「言った言わない」のトラブルにならないようにする意図がありますが、念書はあくまで約束したことの証明にしかならず、書かれた内容に法的な拘束力や強制力が発生するわけではありません。

どんな時に覚書が必要か?

覚書が作成されるのは、すでに締結されている契約書に対し、
①項目の追加や修正が発生する場合
②契約条件を別途決める場合

に必要とされます。

①は、取引内容が変更もしくは追加になる、報酬額が変更になるといった場合などが該当します。
②は、契約締結時には確定できない内容がある場合などが該当します。
契約書にあらかじめ「〇〇については別途協議のうえ定める」といった記載だけをしておいて、実際に業務を見積った後で詳細を決定するような場合に必要とされるのが覚書です。

覚書はどうやって作成する?

覚書には決まったフォーマットはありませんので、自由に作成して構いません。
ただ、記載漏れがあっては意味がありませんので、基本的な書き方は押さえておく必要があります。
構成は契約書と変わらず、表題・前文・本文・後文となっており、必須事項などが存在します。

・表題

「覚書」で良いのですが、「○○に関する覚書」などと定めることも多いです。

・前文

締結済みの契約書がある場合は、それを明確に記載します。
「令和○年○月○日締結 ○○契約書」もしくは一部条項だけの場合は、最後に「第○条」まで具体的に記載します。

・本文

ここに合意した変更内容を記載します。
元の契約のすべてに関わるのか一部分だけなのか、第三者が読んだ時に間違いなく理解できるよう明確に記載してください。

・有効期限

覚書の内容のみに対して、期限がある場合に記載します。
なければ必要ありません。

・後文

覚書の部数、保管者を記載します。
最後に覚書の作成日と当事者名を記載し、署名捺印・記名押印で法的効力を担保します。

収入印紙は必要?

覚書の収入印紙は、内容で有無が決まります。
必要のある文書は「課税文書」で、第1号~第20号の文書(詳細: 第1号文書から第4号文書までの印紙税額の一覧表第5号文書から第20号文書までの印紙税額の一覧表)に該当するかどうか、覚書の内容で判断し、貼付します。
必要ないのは「非課税文書」「不課税文書」で、たとえば基本的に該当しても契約金額が低いため非課税文書になるような場合があります。
表題ではなくあくまで覚書の内容で判断されますので、そこは厳重に注意が必要です。

さいごに

いかがでしたでしょうか
本日は念書と覚書について解説いたしました。
実情にあわせて作成・使い分けを頂ければと思います。
契約書の作成やリーガルチェックなどは永田町司法書士事務所までお問い合わせください。

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