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定款目的事項に「仮想通貨」関係を追加することで発生する問題点等

法人登記 / 登記申請手続(各種)

定款目的事項に「仮想通貨」関係を追加することで発生する問題点等

今回は、よくご質問をいただく法人の事業目的に仮想通貨に関する文言(仮想通貨の売買などといった文言)を記載する場合にどのような問題点があるのかをご紹介していきます。

まず、仮想通貨の売買を業として行う場合は、仮想通貨交換業にあたります。

仮想通貨交換業とは何でしょうか。

①仮想通貨の売買又は他の仮想通貨との交換
②1に掲げる行為の媒介、取次ぎまたは代理
③1,2に掲げる行為に関して、利用者の金銭または仮想通貨の管理をすること

のいずれかを業として行うものがあてはまります(改正資金決済法第2条7項)。
仮想通貨取引所としてのビットフライヤー、DMM Bitcoin、コインチェック等がこれにあたります。

仮想通貨交換業を行うことが出来るのは株式会社だけ

仮想通貨交換業をはじめる場合、内閣総理大臣の登録を受ける必要があります。
その登録条件として以下のようなものになります。

1.株式会社又は外国仮想通貨交換業者(国内に営業所有する外国会社に限る)であるもの
2.外国仮想通貨交換業者にあっては、国内における代表者(国内に住所を有するものに限る。)のある法人
3.資本金の額が1000万円以上であること
4.純資産額が負の値でないこと

上記の条件が課されるため、合同会社や社団法人、財団法人はそもそも仮想通貨交換業を法人の形態的に行うことができません。
したがって、定款の目的に「仮想通貨の売買」、「仮想通貨の交換業」といった文言を書くこと自体が問題となります。
何も考えずに「仮想通貨の売買」、「仮想通貨の交換業」といった文言をいれてしまうと仮想通貨交換業をするわけもないのに定款の文言だけで内閣総理大臣の登録が必要と誤解されてしまいます。
何が問題なのかというと、例えば銀行業のように事業の開始にあたり行政庁の許認可を要する場合でも、会社成立後に正式に許認可を受けるため、目的に「銀行業」と入れたとしても、これがすぐに無効となるわけではありません(手続の順番的には許認可よりも設立がどうしても先になるため誰しもが設立時点では許可がない状況)。
しかし、銀行業を営む場合は、資本金の額が10億円以上必要となります(銀行法第5条)。

目的に「銀行業」とあるが、資本金の額が10億に満たない設立の登記がされた場合、通常はそのまま許認可を受けることは出来ず、許認可を受けずに当該事業を営んだ場合は刑事罰の対象になることもあり、会社設立の登記申請は受理することができない取り扱いとなります。
こうしたことから、株式会社以外が仮想通貨に関する事業目的を定款記載する場合には文言については慎重な判断が求められます。

株式会社の場合は問題点はない

結論から申し上げますと、株式会社の事業目的に仮想通貨に関する記載をする場合は、問題となることはないと言っていいでしょう。

株式会社以外の場合は文言に要注意

株式会社以外が仮想通貨の交換業にあたる行為を定款の目的に記載すると問題になるケースがあります。
上述したとおり、仮想通貨交換業を営むことができるのは株式会社だけとなります。
仮想通貨交換業とは仮想通貨の売買を業とする者も含みますので事業目的に「仮想通貨の売買」などと文言をいれると、仮想通貨交換業とされるため、合同会社に仮想通貨に関する目的を入れたい場合は「仮想通貨」という文言をいれずに「有価証券の売買」「外国為替証拠金取引」などと別の事業目的を記載します。

仮想通貨という文言を入れなくても売買可能

「有価証券の売買」とだけ記載した場合でも、仮想通貨の売買ができないというわけではありません。通常は、事業目的の最後に「前各号に附帯または関連する一切の業務」というような広範囲にカバーできる文言を入れます。したがって、事業目的に具体的な内容を書かなかった場合でも、仮想通貨の売買は可能です。
仮想通貨の取引の節税のため合同会社を設立する際は上記注意しましょう。

仮想通貨取引と書いてしまったら無効?

株式会社以外の定款に仮想通貨の取引と記載してしまった場合であっても当該事業目的はただちに無効とはならないかと存じます。
当然定款を変更するには費用もかかりますので、適法性に疑義のない定款を作るようにしましょう。

さいごに

いかがでしたでしょうか。事業目的については専門家に適法性・妥当性などをチェックしていただき、追加することをおすすめいたします。
事業目的変更に関するお手続きは永田町司法書士事務所までお問い合わせください。

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