一単元の株式数とその実務的な扱い
単元株式の一般的な状況
上場会社以外で単元株式を採用している会社は少数です。
単元株式制度は「単元未満株主の権利を制限する」仕組みであり、株主にとって必ずしも歓迎されるものではありません。
もっとも、株式分割が行われると株式数や株主が細分化されますが、単元株式を設定することで分散を整理し、株式事務を簡略化できるという効果もあります。
単元株式を設定している会社の事例
・親会社の定款と合わせるために単元株式を設けた会社(実際には必要性はないが、そのまま残っている)
・上場準備で単元株式を設定したものの、その後上場を断念し、単元株式だけが残った会社
このように、必ずしも実益がなくても形式的に単元株式が残っているケースがあります。
害が大きいわけではありませんが、不要であれば削除を検討するのが望ましいと考えられます。
種類株式と単元株式
会社法改正により、種類株式ごとに異なる単元株式数を設定できるようになりました。
過去には、この制度を利用して「種類株式に複数議決権を与える」設計を試みた会社もあります。
具体的には、普通株式1株に対して優先株式20株を単元株式とし、普通株式1株=1議決権、優先株式20株=1議決権と設定することで、実質的に優先株式に複数議決権を与える仕組みを検討していました。
単元株式数の解釈上の疑問
このとき問題となったのは、
・「優先株式20株」が1単元なのか
・「普通株式1株、優先株式20株」という組合せが1単元なのか
という点でした。
当初は「すべての種類株式に単元株式を設ける必要があり、異なる数を設定できる」と解釈しましたが、
その後、文献を調査したところ「単元株式は1種類の株式にのみ設定することができる」とされていることを確認しました。
実務で安易に制度を利用していた場合、思わぬリスクを抱える可能性があり、慎重な検討が必要です。
本コラムのまとめ
・単元株式は非上場会社ではほとんど利用されていない。
・株式事務の簡略化や上場準備の過程で導入されることはあるが、不要なら削除が望ましい。
・種類株式と組み合わせて複数議決権的な設計を試みることは可能だが、解釈上の不明点があり、学説では「1種類にのみ設定可能」と整理されている。
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本日は、一単元の株式数とその実務的な扱いについて解説いたしました。
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