組織変更後の会社が合併当事者となる場合の決算公告について

本年度中に組織変更した会社は貸借対照表の要旨を公告する必要があるか

会社が合併をする場合、官報公告（合併公告＋決算公告）をするに際して、当事者の一方が合同会社であり、当該合同会社が本年度中に組織変更をしていた場合、公告方法の記載はどうなるのでしょうか？合同会社は決算公告義務がないため貸借対照表の要旨を公告する必要はありませんが、組織変更し株式会社となった場合は、貸借対照表の要旨を公告することが考えられます。
この時、会社法施行規則第199条の5号（最終事業年度がない場合）と7号（その他）どちらに該当するのか。
例えば、A社（株式会社）が消滅会社となり、B社（合同会社）が存続会社となる合併において、B社が本年度中に組織変更し株式会社になった場合、B社は、株式会社としての最終事業年度はないため、上記5号に該当すると思われますが、実務上は７号（その他）に該当します。
つまり、B社は、組織変更前の合同会社の貸借対照表の要旨を公告をする必要があるということになります（会社法施行規則２条第３項の第９号ロ参照）。

これは、有限会社から株式会社へ組織変更する場合もおなじです。
公告の記載として、会社法施行規則第188条の4号（特例有限会社で法440条の規定が適用されない場合）、5号（最終事業年度がない場合）、7号（その他）いずれが適用されるかについて、実務上は７号（その他）とされていますので、組織変更前の有限会社の貸借対照表の要旨を公告することになります。
公告方法を誤ると組織再編行為ができなくなりますので、慎重に検討をする必要があります。

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本日は組織変更後の会社が合併当事者となる場合の決算公告について解説しました。
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