解散・清算

一般財団法人の純資産の額が2期連続300万円未満となったことによる解散登記手続き

一般財団法人の純資産の額が2期連続300万円未満となったことによる解散登記手続き


一般財団法人の解散事由

一般財団法人は、次に掲げる事由により解散します。
このうち1.~3.または7.の事由によって解散した場合は、当該一般財団法人の申請によって解散の登記をすることが必要となります。

1.定款で定めた存続期間の満了
2.定款で定めた解散の事由の発生
3.一般財団法人の目的である事業の成功の不能
4.合併(消滅法人に該当する場合に限る)
5.破産手続開始の決定
6.解散を命ずる裁判
7.ある事業年度及びその翌事業年度に係る貸借対照表の純資産額がいずれも300万円未満となった場合
8.休眠一般財団法人として解散したものとみなされた場合


一般社団法人と異なる点

一般財団法人は、設立者が定めた目的の実現のために設立される法人であるためその趣旨から一般社団法人と異なり、評議員会やその他の機関による決議によって自主的に解散をすることは認められていません。故に上記3.(一般財団法人の目的である事業の成功の不能)に該当することとなった場合は、設立者が定める目的の実現は不可能となるため解散すべきとされています。
この一般財団法人の目的である事業の成功の不能とは、その目的が法律上又は事実上達成不可能であることが確定した状態のことをいうのであり、単なる事業資金不足の場合は、これが一時的で再開の見込みがあるのであればこの解散事由に該当しないと考えられています。

ある事業年度及びその翌事業年度に係る貸借対照表の純資産額がいずれも300万円未満となった場合

一般財団法人の純資産の額が2期連続300万円未満となった場合、その翌事業年度に関する定時株主総会終結の時に解散するとされています(法人法202条2項)。

法人法第202条2項
一般財団法人は、前項各号に掲げる事由のほか、ある事業年度及びその翌事業年度に係る貸借対照表上の純資産額がいずれも300万円未満となった場合においても、当該翌事業年度に関する定時評議員会の終結の時に解散する。



これは一般財団法人特有の解散事由となります。
一般財団法人は一定の目的実現のために拠出された財産の集合体に法人格が付与されたものであるから設立時だけでなく存立中においても一定規模の財産保持義務を課すのが相当であると考えられているためです。

登記手続必要書類

ある事業年度及びその翌事業年度に係る貸借対照表の純資産額がいずれも300万円未満となった場合に該当したことによる解散登記に必要な書類は次のとおりです。

①解散の事由の発生を証する書面
→貸借対照表上の純資産額300万円未満となっていることが確認できるものとして2期分の決算書(これは当法人の貸借対照表に相違ない旨の記載と法人名・代表者の記載をしたもの)
②定款
③評議委員会議事録
④清算人就任承諾書
⑤委任状(司法書士に依頼する場合)


2期連続純資産額が300万円未満となってしまったが法人を継続したい場合

2期連続純資産が300万円未満となり、解散事由に該当することになったが法人を継続したい場合は、まず、翌事業年度の定時評議委員会において解散することになります。
解散後すぐに財団法人へ資金を拠出し純資産を300万円以上に回復させた上で、決算書を作成・添付の上、継続登記申請を行うという流れになります。
なお、いまの時点で貸借対照表上の純資産額を回復させておいても問題ありません。この場合は、翌事業年度の解散と継続を同時に決議することになります。
継続する場合は解散公告の掲載は不要となります。解散公告の趣旨は清算結了をすることを前提としたものであるからです。

手続きのご依頼・ご相談

本日は一般財団法人の純資産の額が2期連続300万円未満となったことによる解散登記手続きについて解説しました。
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