監査等委員会が採用される理由とは?目的やメリットをわかりやすく解説
【機関設計】監査等委員会が採用される理由とは?目的やメリットをわかりやすく解説
監査等委員会設置会社が採用される理由
近年、企業の監督機能を強化するために、監査等委員会設置会社に移行する上場企業が増えています。
海外企業・投資家からの評価が高い機関設計ですが、監査役会設置会社や委員会等設置会社との違いはどこにあるのでしょうか?
この記事では、多くの企業で監査等委員会設置会社が採用される理由について、わかりやすく解説していきます。
監査等委員会設置会社とは?
監査等委員会設置会社とは、取締役の業務執行を監査するための監査等委員会が、取締役会の中に設置される株式会社のことです。
監査等委員会は、3名以上の取締役で構成されますが、その過半数(3名で構成する場合は2名以上)は、業務執行を担わない社外取締役で構成されます。
会社の外部から監査を行う社外取締役が監査等設置委員会に参加することで、より厳格な経営者のモニタリングが可能となっています。
なお、監査等委員会設置会社では、取締役会および会計監査人の設置が必要となっています。
監査等委員会が採用される3つの理由
監査等委員会が採用される理由は、主に以下の3つです。
・常勤監査役の設置する必要がない
・海外企業・投資家からの評価が高い
迅速な意思決定が可能
監査等委員会設置会社では、重要な業務執行に関する決定を特定の業務執行取締役に委任することができます。
そのため、監査役会設置会社よりも、経営に関して迅速な意思決定が可能となります。
常勤監査役の設置する必要がない
従来型の監査役会設置会社では、企業規模に関わらず常勤監査役を常に設置する必要がありました。
しかし、監査等委員会設置会社では、社外取締役が監査業務を担う関係で、常勤監査役を設置する義務がなくなりました。
海外企業・投資家からの評価が高い
社外取締役の選任を前提とする監査等委員会設置会社は、海外企業・投資家に馴染みのあるガバナンス体制です。
日本企業にとって馴染みのある監査役会設置会社は、議決権を持たない監査役に実行的な監督はできないのではないかとの見方から、経営の不透明さが指摘されていました。
一方で、監査役全員が取締役である監査等委員会設置会社では、業務執行取締役に何か問題があれば、それぞれが取締役会において、当該取締役を解任する権限を有しています。
そのため、海外企業・投資家に対して経営の透明性をアピールでき、より積極的な投資を期待できるのです。
手続きのご依頼・ご相談
監査等委員会が採用される主な理由は、機動的な意思決定ができることと、経営者に対する監督機能を強化することで、もって経営の透明化を図れるところにあります。
組織体制変更のコストなどを加味しても、監査等委員会設置会社へ移行するメリットは大きいと言えるでしょう。
会社法人(商業)登記、コーポレートガバナンスに関するご相談は、司法書士法人永田町事務所までお問い合わせください。