事業譲渡

合併と事業譲渡の手続きの違いなど



合併と事業譲渡の違いを解説


合併と事業譲渡の違い

M&Aの方法として多く利用される合併と事業譲渡ですが、手続きなどにおいて様々な違いがあります。今回は、合併と事業譲渡の違いを、メリット・デメリットを踏まえた上で解説していきたいと思います。
まず、それぞれの定義は以下の通りです。

合併

2つ以上の会社が契約を締結することによって1つの会社に合併することで、新たに会社を設立する新設合併と、一方の会社が消滅しもう一方の会社が承継する吸収合併の2つの種類があります。

事業譲渡

会社の事業の全部または一部を他の会社に譲渡する行為をいいます。
判例の定義によれば事業譲渡の要件は、①一定の事業目的のため組織化され、有機的一体として機能する財産の全部又は重要な一部を譲渡し、②これによって、譲渡会社がその財産によって営んでいた事業目的活動の全部又は一部を譲受人に受け継がせ、③譲渡会社がその譲渡の限度に応じて法律上当然に競業避止義務を伴うもの(最判昭和40年9月22日)とされています。

合併と事業譲渡のメリット

-合併の主なメリット
①経営の一元化
②組織拡大
③無対価(資金不要)でできる
④シナジー効果の期待

-事業譲渡の主なメリット
①現金を獲得できる
②一部の事業のみを譲渡できる(不採算事業の切り離し)
③不要な債務を引き継ぐリスクを回避できる

合併と事業譲渡の手続きに関する主な違い

その他に、合併と事業承継の手続きに関する主な違いは以下の通りです。

株主保護手続き

■合併の場合■
株主総会の特別決議ないし特殊決議(会社法783条1項・795条1項・804条1項・309条2項12・3項1・3)
反対株主の株式買取請求(会社法789条・797条・806条)
株主の差止請求(会社法784条の2・796条の2・805条の2)


■事業譲渡の場合■
株主総会の特別決議(会社法467条1項①②の2・309条2項11)
反対株主の株式買取請求権(会社法469条)

債権者保護手続

■合併の場合■
異議申立ての機会(会社法789条・799条・810条)


■事業譲渡の場合■
異議申立ての機会はないが、一定の場合に譲渡会社に対して債務の履行等を請求できる(会社法22条〜23条の2)

株主への事前開示

合併・・・必要
事業譲渡・・・不要

手続きのご依頼・ご相談

本日は合併と事業譲渡の違いについて解説しました。
合併手続きなどに関するご依頼・ご相談は司法書士法人永田町事務所までお問い合わせください。


会社法人登記(商業登記)の

ご相談・ご依頼はこちら
お問い合わせ LINE

ご相談・お問い合わせはこちらから